保護者のためのネットリテラシー講座

子どものネット配信のリスク管理 ファミリーYouTuberとIT教育専門家に聞く

2021.04.27

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有馬 ゆえ
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子どもがYouTube配信を始める際のリスク対策

――YouTubeの動画から個人情報を特定されないためには、どんな対策ができますか?

顔出しをしない場合でも、実際の名前は使わない方がいいでしょう。撮影時は、家の住所や学校が特定されないために、屋内での撮影ならばカーテンを閉める、近所でカメラを回すなら住所が書かれた表札やランドマーク的な建物は写さないようにするなど、工夫しましょう。

子どもとYouTube_1

子どもには、YouTubeの視聴者の中には、自分たちの知らない人たちもいることを教えてください。相手が自分の名前や顔を知っていても友達ではないし、楽しんでくれる人もいれば、心無い言葉をかけてくる人もいる、と。

――著作権、肖像権のトラブルについては、どんな予防策がありますか?

例えば、本の表紙の撮影などは、好意的な意見の発信であれば本の宣伝につながるという意味で著作権の侵害を問われないケースも多いです。ただ、著作権、肖像権を侵害するかの線引きは非常に曖昧な部分があるので、まずは著作権や情報モラルに関する子ども向けの書籍を読み、親子で学んでおきましょう。

その上で、動画のテーマを著作権、肖像権に配慮したものに決めておくと、リスクを減らせます。例えば風景をテーマにしたり、動物の解説をテーマにしたり……。

注意したいのは、著作権が厳しいアニメなどのキャラクターを大々的に映り込ませること。また、キャラクターの顔に落書きをすれば、著作物の改変という違法行為にあたります。

――これらのほかに、親子で話しておきたいことがあれば教えてください。

リスク対策の意味で、中学生ぐらいまでは、動画のアップロード前に保護者がチェックすると決めておくのがいいでしょうね。また、編集のできない生放送もまた、視聴者からの無茶な要望にもつい答えがちなので避けたいです。

情報の正確性にも気を配りましょう。調べ物にYouTubeを使う時代ですから、アップロードした情報が間違っていると、視聴者に不利益を招く可能性があります。わからないことがあれば図書館で調べたり、それに詳しい大人に聞いたりするように教えてください。

保護者はYouTube利用規定の熟読など、いざというときのための準備を

――子どもがYouTube配信を始める際、保護者が心得ておくことはありますか?

まず、YouTubeの利用規約を読むことから始めましょう。そのうえで、トラブルに備えて、YouTubeのヘルプ機能を確認し、国民生活センターや警察庁のインターネット関連部署などの連絡先を調べておいてください。

もし、子どもがYouTubeで「稼ぐ」ことにフォーカスをしている場合、親子ともども知っておいてほしいのは、10年後もYouTubeが“稼げる手段”であり続けるかはわからないということです。情報技術の進展でYouTubeのルールが変更されたり、サービス自体が廃れてしまったりすれば、今稼いでいる人ですら職を失うこともある。そもそも世の中はお金儲けだけがすべてではないことも含めて、子どもにも話しておいたほうがいいでしょう。

――YouTubeに限らず、これから子どもとネットは密接な関係にあり続けると考えられます。保護者が見守るコツとは?

今の子どもたちは、ネットの使い方やサービスに関して、保護者より多くのことを知っています。ですから、子どもに今、何が流行っているのかを定期的に聞くようにしましょう。それから、そのサービスについて情報収集し、利用規約を読んだり、トラブル対処法を調べたり、運営企業について調べたりしていくのがいいと思います。

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