教育改革のゆくえ

日本は思考力より基礎学力重視、ICT教育の遅れ際立つ 11カ国学習意識調査で判明

2021.04.28

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中村 正史
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小中高の教育目標だった思考力・判断力・表現力など学力の3要素が大学入試にも導入され、教科内容や学び方も変わりつつあります。日本の教育の現状は、世界的にはどう見えるのでしょうか。教育会社が行った国際比較調査から、日本の特徴を探ります。

「なりたい職業がない」日本が最多

学校の授業以外の勉強時間は、11カ国全体の平均は1.8時間。最も長いのはインドの2.7時間で、中国の2.3時間が次ぐ。日本は1.1時間で、最下位。

「なりたい職業」の国による違いも面白い。米国は、1位が医者・看護師、2位がコンピュータープログラマー。中国は、1位が技術者・エンジニア、2位が学者・研究者・科学者。

日本は、1位がスポーツ選手、2位が医者・看護師、3位がユーチューバー、ゲームクリエーター(同数)だが、「なりたい職業がない」と答えた子どもが3割に達し、圧倒的に多い。

ICT教育の遅れも日本は際立っている。「家で勉強する時の方法」(複数回答)は、11カ国全体では「紙と鉛筆」78%、「パソコンの学習ソフト」40%、「タブレットの学習アプリ」34%、「スマートフォンの学習アプリ」31%だが、日本は「紙と鉛筆」が96%で、タブレット19%、スマホ6%、パソコン5%と低い。

「新型コロナウイルスの影響下で学校が行った対応」は、11カ国全体では、ズームなどを使ったオンライン授業58%、デジタルコンテンツの提供45%、授業動画の配信43%、紙教材による宿題42%だが、日本は紙教材による宿題が83%と11カ国中最多で、オンライン授業10%は最下位だった。

日本は思考力より基礎学力重視、ICT教育の遅れ際立つ 11カ国学習意識調査で判明

梅田所長は「GIGAスクール構想の前倒しで今春までに端末が子どもたちに配布され、環境は変わっているかもしれませんが、地域差や学校差が大きいと聞いています」と話す。

アドバイザーを務める成島校長はこう話す。

「日本の子どもたちは自己肯定感が低いという日本財団の調査結果が気になり、もう少し調べてみたらと助言しました。調査結果を見ても、子どもたちの自信のなさが浮き彫りになっています。私は民間出身で、民間と学校の両方を経験していますが、学校でできることには限界があります。日本の教育を変えるにはどうするかという観点から、民間企業が世界比較の形でデータを示していくのは意味があったと思います。1度だけの点の調査ではなく、続けていくことが必要です」

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