『ドラゴン桜2』桜木建二が教える 2020教育改革

我が子の「才能」を開花させる方法 独立研究者・著作家・パブリックスピーカーの山口周さん

2021.05.03

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桜木 建二
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時節柄しかたのない面もあるが、教育改革の行方はかなり混沌としている印象だな。大学受験の「共通テスト」こそスタートを切ったものの、以降のビジョンやスケジュールは揺れている。予測のつきづらいこんな世の中になったいまこそ、教育と学びについて、改めて考え方の指針が欲しいところだ。そこで、この人のもとへ言葉をもらいに行ってきたぞ。独立研究者・著作家・パブリックスピーカーの山口周さんだ。

他国に比べ、日本の教育制度はうまく機能している

我々は事あるごとに、「教育が大切だ」と唱えるのが習い性になっているものだな。

この連載自体もその一環となっているわけだが、教育を変えれば万事うまくいくと思ってしまいがちだ。

そんななかで山口さんは、一歩引いた視座を与えてくれる。少なくとも学校教育に対して、過度な期待はしないほうがいいのでは、と言うのだ。

「読み書きや四則計算など、人が生きていくうえで必要となる基礎知識を身につける。また、そうした知を得るための学び方を教わる。

それがきちんとおこなわれていれば、まずは教育が一応は機能していると納得すべきでしょう。

実際のところ、PISAなどの国際学力調査において、日本の生徒たちの成績は決して悪くないようです。

他国と比べて学校に通わせる経済的負担が特に高いわけではないなかで、よく成果を挙げていると見ていい。

これ以上を望むのは、かなりぜいたくを言っていることになる。日本の教育制度は、なかなかうまくやっています。

音楽や美術を好きになる、それが授業の目的になるといい

それを踏まえたうえで、もうすこし欲を言えば、生徒が優れたものに触れる機会や、心を動かす時間が増えたらいいんじゃないかとは思います。

たとえば音楽の時間は、鍵盤ハーモニカやタテ笛といったあまり魅力的に映らない楽器を演奏させられ点数をつけられるばかりでは、音楽自体が嫌いになってしまう。

美術にしたって、写生がうまくできるかどうかだけじゃなく、いろんな作品を観てひとつでも気に入ったものが見つかれば、その美術家の作品を卒業してから『観に行こうかな』と思うかもしれない。

音楽や美術を好きになる、それが授業の目標になるといいですよね。

我が子の「才能」を開花させる方法 独立研究者・著作家・パブリックスピーカーの山口周さん
(C)三田紀房/コルク「ドラゴン桜2」から

これはもちろん国語や数学といった『主要教科』でも同じこと。

各教科におもしろさのツボはあるはずで、それを伝えられていないのだとしたら、カリキュラムの欠点と言えるかもしれませんね」

我が子の才能をいかに伸ばすか――。
次回も山口さんにその処方箋について掘り下げて聞いていくぞ。

(山内宏泰)

我が子の「才能」を開花させる方法 独立研究者・著作家・パブリックスピーカーの山口周さん
山口周

話を聞いた人

山口周さん

独立研究者・著作家・パブリックスピーカー

1970年、東京都生まれ。独立研究者、著作家、パブリックスピーカー。慶應義塾大学文学部哲学科を卒業後、同大学院文学研究科修士課程を修了。電通、ボストンコンサルティンググループなどで戦略策定や文化政策、組織開発などに従事した後に独立。著書『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?』(光文社新書)はビジネス書大賞2018準大賞、HRアワード2018最優秀賞(書籍部門)を受賞。

『ドラゴン桜2』

作者は、漫画家・三田紀房さん。中堅校に成長したが、再び落ちぶれつつある龍山高校が舞台。弁護士・桜木建二が生徒たちを東大に合格させるべく、熱血指導するさまを描く。教育関係者らへの取材をもとに、実用的な受験テクニックや勉強法をふんだんに紹介している。雑誌「モーニング」(講談社)、「ドラゴン桜公式マガジン」(note)で連載中。

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