コロナでどうなる大学入試

欠員で2次募集80人 横国大理工学部長が語るコロナ禍入試の顚末「後期合格者の多くが入学せず」

2021.05.10

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上野 創
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新年度目前の3月26日、横浜国立大の理工学部は80人という前例のない多数の2次募集を発表しました。新型コロナウイルスの感染拡大を防ごうと個別試験をやめる判断をした結果、志願者が大幅に減り、三つの学部で追加合格を出し、2次募集も行って欠員に対応する事態に。その過程を、真田一志・理工学部長に聞きました。(写真は2010年にキャンパスに設置されたモニュメント=横浜国立大提供)

真田一志

話を聞いた人

真田一志さん

横浜国立大学理工学部長

(さなだ・かずし)1960年生まれ。84年東京工業大学工学部卒業、86年同大学院理工学研究科制御工学修士課程修了。2004年横浜国立大学大学院工学研究院教授、19年4月から現職。専門は機械力学・制御、流体工学。

開けてみたら志願者半減

――横浜国立大は、2021年度入学者選抜試験(20年度実施)で、一般選抜の個別学力検査をせず、大学入学共通テストの結果のみで合否判定をすると判断しました。理工学部長として不安はありませんでしたか。

特になかったです。受験生の安全と安心を第一に考えてそういう対応をとったと考えています。

――志願者が、理工学部では前年の半分以下となり、大学全体でも前年の55%と激減しました。予備校などの情報でかなり減るとみていましたか。

私は途中経過はチェックしていませんでした。締め切られてから、こういうふうになってしまったんだと認識しました。

――かなりの減でしたが、どう思われましたか。

入学定員を切らなかったので、まずは安心しました。志願時点で定員を切ったら大変なことですので。

(個別試験をやめたことで)逆に志願者が増えると言っていた人もいたので、はっきりいってどちらに出るのか予想がつきませんでした。ただ、昨年度までの志願倍率は今回よりはかなり高かったわけで、そこと同じぐらいか、そこからどのぐらい下がるのかという感覚でした。結果を見て、ああ、ここなんですねという認識でした。

――副学長は「やっぱりショックだった」と話していましたが。

現場を預かる者としては、これで入試(の合否判定)をしっかりやらないと、と考えました。

合否ラインに近い26人を追加合格

――合否のボーダーを決めるのは難しかったのでは。

(横浜国立大は)1次選抜、2次選抜ということではなく、共通テストの得点と大学の個別テストの得点との合計点で合否を決めます。今回は、その個別テストの代わりに共通テストの成績を利用したという形でした。

学力検査ですから、成績で決めました。「うちにふさわしい学力はここ」と決めさせて頂いた。その結果として、後期で欠員が出てしまったということです。

――理工学部は、後期で26人の追加合格を出し、さらに80人を2次募集しました。追加合格自体が過去にあまり例がないですが、このときの判断は。

2次募集はせざるをえないと判断しました。100人ぐらい欠員がいましたから、追加合格をそれだけ出すということはあり得ない。

そうであれば、追加合格はそれまでの合否ラインとほぼ近いところで出すということになりました。あくまで学力で判断するということで、追加合格も26人しか出していません。

――電話で追加合格を伝え、どれだけ応じてくれるか予想するのは難しかったのでは。結果として26人でしたが、どう思いましたか。

電話はつながって連絡もきちんととれて、割とスムーズにできました。まずは26人の入学手続きが無事に終わって良かったと思いました。非常に短時間だったので。

どう思ったかという感想はないです。次の2次募集の話になっているので、考える暇がなかったというのが実際です。

――80人の2次募集は相当に多いですが。

これはもう、欠員なので80人、出さないといけないと判断しました。実際に、何人が出願してくださるか、まったく経験もないので分からない状況でした。

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