一色清の「このニュースって何?」

ロケットの残骸が落下 → 自分にあたる確率を計算してみよう

2021.05.14

author
一色 清
Main Image

日々のニュースの中に「学び」のきっかけがあります。新聞を読みながら、テレビを見ながら、食卓やリビングでどう話しかけたら、わが子の知的好奇心にスイッチが入るでしょうか。ジャーナリストの一色清さんが毎週、保護者にヒントを教えます。(写真は1997年、米テキサス州の農場に落ちたデルタ2型ロケットの燃料タンク=NASA提供)

隕石は防ぎようがないけど……

ただ、地球の大きさと、残骸や人の小ささを考えあわせれば、怖がりすぎることはありません。地球の表面積は約5億1千万平方キロメートルあります。そのうち海の面積が約3億6千万平方キロで、約7割になります。残りが陸地の面積で約1億5千万平方キロ。約3割になります。つまり、地球に落ちてきても、海に落ちる確率のほうがかなり高いことになります。ちなみに北半球のほうが南半球より陸地が多く、北半球では海が約6割、南半球では海が約8割になります。

人は陸地に住んでいるわけですが、1人あたりの陸地の面積はどのくらいになるでしょうか。割り算ですね。1億5千万平方キロを地球の人口70億人で割ると、1人あたり0.021平方キロになります。0.021平方キロというと、だいたい0.15キロ(150メートル)四方の面積になります。150メートル四方の中に1人ずついると考えると、広々としたところにポツンポツンといる感じです。もし陸地に落ちたとしても、人にあたる可能性がとても低いというイメージを持てると思います。

2011年にアメリカ航空宇宙局(NASA)は人工衛星の26個の金属部品が地球に落ちてくると警告しました。このときにNASAが出した「人にあたる確率」は3200分の1でした。というと、結構高い確率だと感じる人も多いかと思います。でも、これは地球上の誰かにあたる確率で、自分にあたる確率はその70億分の1、つまり22兆4千億分の1です。ほとんどゼロに近い数字です。

宇宙から落ちてくるものとしては、隕石(いんせき)もあります。人や建物に被害を与える隕石も少なくありません。今の段階では、ロケットなど人工物の残骸より隕石のほうが怖いといっても間違いではないでしょう。ただ、隕石の落下を人間が防ぐことは不可能に近いと思います。一方、ロケットや人工衛星の残骸は人間が作ったものですから、防ぎようはあるはずです。今はそんなに怖がることはないといっても、将来もずっと怖くないとは言い切れません。地球の課題として、国際社会は被害を防ぐルール作りをする必要があります。

新着記事