学習と健康・成長

校則は変えられる! 「ルールメイキング」で育つ課題解決力

2021.05.17

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葉山 梢
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ツーブロックは印象が悪い?

一方、岩手県立大槌高校は学校の「魅力化」に取り組む一環で、生徒たちによる「校則検討委員会」を作りました。

生徒たちが特に問題視したのが、月に1回、先生が生徒を横一列に並べて髪形のチェックをする「整容指導」。「指導を受けると1週間後に再指導がある。耳や襟にかかるとダメで、基準が厳しかった」と生徒会副会長の菊地宇宙(たかひろ)さんは言います。「生徒たちのわがまま」と先生たちに思われないようにするため、まずは「生徒宣言」を生徒総会で決定しました。「夢を持っている生徒」「社会の一員として行動できる生徒」などの生徒自らなりたい生徒像、「個人を尊重する学校」「毎日通いたくなる学校」という学校像を設定し、校則を考える上での指針を示したのです。

ツーブロックを禁止する校則については「ツーブロックは就職活動での印象が悪い」という声があったことから、地域の企業にアンケートを実施し、印象が悪くなることはないことを確認。髪形に関する細かい規則はなくなり、ツーブロックもOKになりました。

生徒指導課の熊谷一郎先生によると、整容指導は同校が荒れていた30年ほど前に始まったようです。「教員も一方通行の指導だと感じていたが、なかなか変えられなかった」。志田敬副校長は「学校の『魅力化』と整容指導は一致しない。思い切って見直しに取り組もうと話したところ、すんなり進んだ。『魅力化』を通じて、先生の意識が変わりつつあったことが大きかった」と振り返ります。

目指すは、「市民」としての育ち

ルールメイキングの目標は「校則を変えること」ではない、とカタリバの山本さんは強調します。中高生にとって身近な校則を題材に、生徒と先生、地域、保護者らが対話や調査を重ね、課題発見、合意形成、意思決定をする力を育むのが狙いだといいます。「社会の担い手としての『市民』を育てるため、プロセスの中で何を学ぶのかを大事にしています」

今年度は新たに12校の応募があったほか、教育委員会として取り組みたいというところも出てきています。今後は学校ごとに外部の相談役を入れつつ、どの学校でも自走できるような「型」を作っていきたいといいます。山本さんは「ルールメイキングの先には学校作りがある。学校作りに生徒も参画し、『みんなで作る学校』につながってほしい」と期待しています。

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