学習と健康・成長

基礎に特化した学力検定「TOFAS」 港区の小中学校が導入した目的とは

2021.05.26

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小林 香織
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2021年3月21日に、第1回目が実施された基礎学力検定「TOFAS(トーファス)」。主に、小・中学生を対象にした検定で、パソコンやタブレットを使って任意の場所で受けられます。港区12校の小中学校で導入されたTOFASは、どのような内容で、子どもにとってどのようなメリットがあるのでしょうか。TOFASを開発・運営する株式会社スプリックス基礎学力研究所所長の梅田修平さんに伺いました。

Shuhei_Umeda

話を聞いた人

梅田 修平さん

株式会社スプリックス 基礎学力研究所 所長

(うめだ・しゅうへい)早稲田大学理工学部卒。日系大手事業会社勤務、米国にてMBA取得、外資系金融会社勤務を経て、2013年に株式会社スプリックスへ入社。世界中の子どもたちに「基礎学力」を定着させるべく、研究および開発を進めていくことをミッションとし、TOFASをはじめとした教育事業を手がけている。

自宅で受けられる基礎学力検定「TOFAS」

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TOFASの問題サンプル。「計算」の検定は4つの選択肢から回答を選択する(解答欄の一部にモザイクを入れています)

――そもそも、「TOFAS」はどのような検定ですか?

基礎に特化した学力の評価を目的とした検定で、現状は「計算」の科目のみ提供しています。四則演算、一次方程式、因数分解など小学校1年生から中学校3年生までに習う内容をカバーしており、お子さんの年齢に合わせて4つのレベルから選べます。

インターネットがつながる環境下で、パソコンやタブレットがあれば、自宅など任意の場所で受検できるのも特徴です。40分以内に100問の問題を解き、正答率80%以上が合格となります。結果は、回答を分析したレポートにて通知します。

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受検者にメール通知される結果のサンプル。第1回目は日本含む5カ国で実施し、全体のランキングも記載している(分析結果欄にモザイクを入れています)

今後は実施国、および受検者の拡大を見込んで、分析レポートのデザインを大幅に変更する予定です。受検者からのフィードバックも含めて、よりわかりやすいデザイン、インターフェイスを採用するつもりです。また、第1回目は無料で実施しましたが、いずれは有料になる予定です。

――国際的な学力調査で言えば、「PISA」や「TIMSS」が知られていますが、これらとどのように違うのでしょうか?

純粋に基礎学力だけを評価するTOFASに対して、PISAやTIMSSは、基礎学力が身に付いていることを前提にして、それらを生かして考える能力が評価されます。計算の問題を比較するとわかりやすいのですが、単純な計算問題が並ぶTOFASに対し、PISAやTIMSSは計算問題も文章形式で出題されます。つまり、計算に加えて文章の理解能力も問われるのです。

また、TOFASはPISAやTIMSSと同様に世界との比較ができる検定と位置づけていますが、現状比較できる国は限られており、まだ権威があるものではありません。

――なぜ、基礎学力のみを評価する必要があるのでしょうか?

スプリックスは個別指導塾の「森塾」などを手がけており、1997年の創業以来、定期テストの点数アップにフォーカスしてきました。私たちが主に指導しているのはミドル層以下の成績を持つ子どもたちで、彼らは基本的な四則演算や簡単な漢字・英単語のスペルミスで、毎回テストの点数を落としてしまうんです。

彼らがテストの点数を上げるには、新たに習った学習知識よりも、まずベースとなる基礎知識を定着させる必要がある。TOFASを通して身についていない基礎知識を把握し、定着させることで、定期テストの点数アップにつなげたいというのが私たちの狙いです。

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