大学合格者ランキング2021 今年伸びた高校
東大理系は開成、灘、筑波大附駒場など国私立の一貫校が上位を席巻
2021.06.01

全国一斉の長期休校、大都市圏では緊急事態宣言下で初の本番を迎えた大学入学共通テスト、一部大学の個別試験中止……と、異例ずくめだった2021年度大学入試。そんな「逆境」の中で合格実績を伸ばしたのは、どの高校だったのでしょうか。大学通信の安田賢治常務が解説します。(とくに断りのない限り、本連載の合格者数は、併願可能な私立大で複数の学部・入試方式での合格者を重複して数える「延べ合格者数」=解説はこちら=を採用しています)
前回の東大文系合格者数ランキングに続き、今回は理系編。理科Ⅰ類からⅢ類までの合計合格者数をランキングした。理系の3年進級時の主な進学先は、理Ⅰは工学部や理学部、理Ⅱは農学部や工学部、薬学部、理学部、理Ⅲは医学部となっている。
今年の東大入試の志願者数は、コロナ禍の影響で地元の大学進学志向が高まったこともあって、昨年比1.8%減の9089人だった。ところが、理系に限ると0.9%増の5354人で、文系で減少したことが分かる。増えたのは理Ⅰ、理Ⅱで、理Ⅲは減少している。
今年は未知の病である新型コロナウイルス感染症の蔓延で、医学部人気が復活傾向といわれているが、東大ではそうはならなかった。ただ、理系の人気が高く文系の人気が低い「理高文低」の状況にはなった。上位の受験生は医療系以外の理系学部で、地元の大学より東大を目指す傾向が強かったようだ。現在は工学部や理学部などの理系学部では、大学院進学が当たり前になってきている。やはり東大の研究力の高さが評価され、志願者が減らなかったとみられる。
その理系トップは開成(東京)の95人で、2位は灘(兵庫)の68人、3位は筑波大附駒場(東京)の61人、4位は桜蔭(東京)の43人、5位は麻布(東京)の42人だった。上位は中高一貫校が強く、公立トップは9位の横浜翠嵐(神奈川)の34人だった。