国語のチカラ ~「読み、書き、表現」アップの鉄則~

低学年のうちに読解力をつける「精読」のポイント

2021.06.16

author
南雲 ゆりか
Main Image

低学年のうちに読む技術を身につけておくと、受験勉強において国語に多くの時間を割かなくても安定した成績が保てます。そのために欠かせないのが「精読」です。精読とは細かいところまで注意して読むということです。

家庭でできる精読のレッスン方法について、お話ししたいと思います。

お子さんが楽しそうに読書しているときには、好きに読ませてください。お気に入りの本を何回も読み返すことで、おのずと精読できてしまう場合もあります。

でも、楽しみとしての読書とは別に、週に1、2回、学習として精読する機会も設けてください。

精読のレッスン方法

精読には、少し難しめの文章、お子さんが自分からはあまり読まないような文章を使います。量は少なめで構いません。難しい文章なら300字くらいでもよいでしょう。

お子さんの隣に座り、文章をひととおり黙読させた後に、「どんなことが書いてあった?」とたずねてみてください。ポイントをつかめたかどうかがわかります。

たとえポイントを外していたとしても、「そういうことも書いてあったね。それじゃ精読しようか」と声をかけて、少しずつ音読させます。

ところどころでストップさせながら、語句の意味を教えたり、主語にあたるものを探させたりして、理解を深めていきます。

精読する際にチェックするポイントはいろいろとありますが、まずは以下の1~3を心がけるとよいでしょう。文章にもよりますが、4~6もできそうであればやってみてください。

低学年のうちに読解力をつける「精読」のポイント

それでは、新聞記事をもとにお子さんとの対話の事例を紹介します。

低学年のうちに読解力をつける「精読」のポイント

【対話の例】 (カッコ内で記した数字は「精読のチェックポイント」の番号です)

○「私たちの周りには」はどの言葉にかかっている? 印をつけてみて。
「あります」だね。この言葉は「どこにあるか」を説明しているよ。「私たちの周りには、あります」とつなげることができるね。(2)

○「大量にコピーする技術」のことを何と言っている? 印をつけてみて。
すぐ後に「印刷」と書いてあるね。その前にどんな「つなぎ言葉」を入れるといいかな? 同じことを言い換えているから「すなわち」「つまり」だね。(4)

○「羅針盤」ってわかる? 方位磁針のことだよ。これを使えば正しい方角がわかるね。
船や飛行機が「南に針路をとる」という言い方をするけれど、「針路」には羅針盤の「針」という字を使うよ。(1)

○「3大発明」って何? 三つとも印をつけてみて。
「印刷」「火薬」「羅針盤」だね。(4)

○「活版印刷」の「活」は「活字」のことで、一文字のはんこみたいなものだよ。この文章では活字のことをどう説明しているかわかる? 印をつけてみて。
「文字が刻まれた金属」だね。活字は金属でできているんだね。(1)

○「発明しました」ってあるけれど、だれが何を発明したの? 説明してみて。
ヨハネス・グーテンベルクが活版印刷を発明したんだね。(2)

○「この技術」は何を指している? 直前からさかのぼって探して印をつけてみて。
「活版印刷」だね。(3)

○ 「手で書き写したり、木に彫って紙に写し取ったり」するのにはどんな欠点があるかな?
手間や時間がかかるね。そうするとたくさん作れる? 値段はどうなる? たくさん作れないから値段も高くなるよ。そうすると買えるのはどういう人? 貧しい人は買って読むことができないね。(1)

○「広まっていった」とあるけれど、何が広まっていったの? 印をつけてみて。
「本」ではないよ。本によって何が広まったかだよ。「たくさんの知恵や文化」だね。(2)

短めの文章ですが、このようにさまざまな角度から質問していくことで、読みの精度を高めることができます。だんだん習熟してくると、お子さんひとりでもこのような読み方ができるようになっていきます。

この例では「印をつける」というやり方をしましたが、3年生なら答えをノートに書かせてもいいですね。設問の答えとなる部分を本文から抜き出す「書き抜き」の練習になります。

確実に読解力がつきますので、ぜひ取り組んでみてください。

新着記事