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「石」の奥深い世界を知ろう 身近な川で石探し、道具は? 見分け方は?

2021.06.21

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夏野 かおる
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もうすぐ夏休み。どこかへ出かけたいと考えつつも、新型コロナウィルスの流行状況を鑑み、「今年は旅行はやめておこう」というご家庭も多いのでは。そんなときにチャレンジしたいのが身近な川での石探しです。自然と触れ合うきっかけになり、子どもの宝物も見つかる「石探し」の魅力について、自然環境研究オフィス代表の柴山元彦さんに伺いました(写真は五色石[ごしきせき]と呼ばれるチャート=柴山さん提供)。

Google Mapと地質図で好適地を探す 水難事故には充分注意

——いよいよ石を探そうと決めたら、まず何からはじめるとよいですか。

石探しに行く日を決めたら、まずはどの川に行くかを決めます。できるだけ広い川がよいでしょう。また、川の上流に火成岩が分布しているところでは、おもしろい石が見つかりやすくなりますので、産業技術総合研究所の「日本シームレス地質図」を見て調べると良いでしょう。

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「日本シームレス地質図V2」で見た淡路島。島の北部が赤い「火成岩」エリアだと分かる

目的の川を決めたら、どこに川原があるか、川原に降りられるかどうかを確かめます。最近はきっちりと護岸工事がされている川も少なくなく、そもそも石ころが見つからないことが考えられます。たとえ川原があっても、自由に降りられないケースもあります。Google Mapの衛星写真などを利用し、だいたいのルートを決めておくとよいでしょう。

——当日の準備物と、注意点を教えてください。

石探しに必要なものは、以下の通りです。

底のしっかりした靴:トレッキングシューズがおすすめ。ビーチサンダル等は避ける。なお、川原では絶対に走らないようにさせる。

ハンマー:大きな石を割って、中を見たいときに使う。小さな石を探しに行く場合は不要。石を割るときは、必ず周りに人がいないことを確認する。

簡易ゴーグル:石を割るときに、破片が目に入らないようにかける。

ルーペ:10倍くらいのものがよい。100円ショップなどで手に入る。使う際は石をレンズに近づけるのではなく、レンズを目に当て、体を石に近づけて見るようにすると、視界が広く、明るくなる。

軍手:石を探したり割ったりするときにはめ、手の怪我を防ぐ。

カメラやスマホ:接写(マクロ)レンズがついているもの。最近ではスマホ用のクリップ型マクロレンズが100円ショップなどで手に入るのでおすすめ。

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柴山元彦、井上ミノル『こどもが探せる川原や海辺のきれいな石の図鑑』創元社より

ビニール袋:小さな石を保存するために使う。

磁石:磁性のある石(磁鉄鉱など)を探すときに使う。そのまま使うと細かい砂鉄が付着して取れなくなるので、ラップを巻いておくとよい。

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柴山元彦、井上ミノル『こどもが探せる川原や海辺のきれいな石の図鑑』創元社より

なお、石探しにあたっては、水難事故に充分注意してください。当日の天候次第で中止するのはもちろん、降雨が前日であっても、まだ川が増水している可能性があります。大きな川であれば、ライブカメラを設置している場合もあるので、当日の朝に確認するとよいでしょう。

また、ケガを防ぐため、夏でも長袖・長ズボンを着用します。川原はでこぼこしており、転ぶ危険がありますから、絶対に走らないようにしましょう。夏休みに取り組む場合は、熱中症対策もしっかりと。

それから、国立公園やジオパークなどの特定地域では、石の採取が禁じられていることもあります。こうした場所では、石は動かさず、写真撮影や観察にとどめます。そのほか、現地のルールを守って楽しむようにしてください。

——子どもの好奇心を育てるためには、保護者はどのような接し方をするとよいでしょうか。

何よりも、子どものセンスを否定しないことです。「そんな石のどこがいいの?」などと言わず、その子がなぜ、その石に興味を留めたのかをじっくりと聞いてあげてください。

それから、コレクションへの理解。子どもに限らず、大人のファンにも、家族から「石ばかり持って帰ってこないで」と叱られる方はいます。でも、できれば尊重してあげてほしい。もちろん、無制限に持って帰るのもよくないので、「同じ種類の石は1個まで」など、子どもと話し合ってルールを決めるとよいでしょう。

あとは、やはり、親子で一緒に取り組んでもらうのが一番だと思います。冒頭でも申し上げた通り、子どもの付き添いのつもりが、ご自身が夢中になったという方も珍しくありません。一緒に下調べをしたり、撮った写真で図鑑を作ったりと、貴重なコミュニケーションの場になると思いますから、ぜひチャレンジしてみてくださいね。

(編集:野阪拓海/ノオト)

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