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昭和女子大・柏木厚子教授「オンライン留学と渡航留学の違いを実感」

2021.06.29

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中村 正史
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新型コロナウイルスの影響で、各大学は海外留学がストップし、オンラインのプログラムに切り替えるなど、対応に追われました。ここに来てワクチンを接種した学生に対して、海外留学を再開する動きが出てきました。この1年余りで留学事情はどう変わり、担当者や学生は何を感じているのでしょうか。グローバル教育に力を入れている昭和女子大学の柏木厚子・グローバル推進委員会委員長(国際学科教授)に聞きました。(写真は、コロナ前に米国の昭和ボストンで学ぶ学生たち=昭和女子大学提供)

柏木厚子さん

話を聞いた人

柏木厚子さん

昭和女子大学グローバル推進委員会委員長、国際学科教授

(かしわぎ・あつこ)早稲田大学法学部卒、コロンビア大学ティーチャーズカレッジ英語教授法・応用言語学専攻修士課程修了。昭和女子大学人間社会学部現代教養学科助教授、同学部英語コミュニケーション学科教授を経て、2009年の国際学科開設に関わり、学科長を務めた。

オンラインだと留学のハードルが下がる

――新型コロナで昨年春以降、各大学とも留学がストップして対応に苦慮しました。昭和女子大学はグローバル教育が特徴ですが、どんな状況ですか。

昭和女子大学には、短期、長期を含めた様々な留学プログラムがあります。長期留学プログラム(1学期以上)は、学科のカリキュラムの一環として実施する「カリキュラム留学」と、全学科対象で海外協定校をはじめとする世界中の大学へ留学する「選択留学プログラム」に分かれます。同じ敷地内にあるテンプル大学ジャパンキャンパスとの単位互換プログラムも、この選択留学プログラムの中に含まれます。

英語系3学科と呼んでいる学科のうち、英語コミュニケーション学科と国際学科は2年後期から、ビジネスデザイン学科は2年前期から半年~1年間、全員が留学します。英語コミュニケーション学科とビジネスデザイン学科の留学先になっているのが、米国ボストン郊外にある海外キャンパスの「昭和ボストン」です。

昨年度の前期は留学を中止し、後期からオンラインに移行しました。国際学科は昭和ボストン以外にも、中国の上海交通大学をはじめ、韓国、ベトナム、スペインの協定大学に留学しますが、これらもオンライン留学に切り替えました。

オンライン留学の最大の課題は時差ですが、昭和ボストンは昭和女子大学のキャンパスですし、またそれ以外の協定校はうちの大学独自の協定相手で信頼関係があり、どの大学も日本時間に合わせて授業を組んでくれました。例えばスペインのアルカラ大学は現地時間の朝6時から授業をしてくれました。そこが国内の他大学とは違ったと思います。

その結果、2020年度の留学プログラムの参加者は、長期留学が19年度の72%、短期留学を含めた全体で66%でした。長期留学の減少は、昨年度前期の昭和ボストンへの留学が中止になった分で、この分を除けば後期以降の参加者数はほとんど変わっていません。コロナ禍にあって、よく踏みとどまったととらえています。やはり昭和ボストンの存在が大きかったです。

――オンライン留学のメリットはありますか。

費用がかからないことです。渡航留学する場合も、留学先の大学の授業料は原則、昭和女子大学の学納金を納入すればそれ以上の費用はかかりませんが、現地での滞在費や飛行機代、海外保険、ビザ取得経費などがかかります。また、オンラインは自宅から受講できるので安心感があります。今回、海外留学への不安感を持つ英語系学科以外の学生が、オンラインなら自宅で受けられるので、気軽に受けてみようと短期プログラムなどに参加した例がありました。オンラインだと留学のハードルが下がるのです。

これはテンプル大学ジャパンキャンパスの単位を取得して、二つの大学の学位を取得するダブルディグリー・プログラムの参加者にもいえることかもしれません。海外に留学すると、生活の違いや体調管理などでストレスがかかりますが、同じ敷地内にある海外大学であれば慣れた環境で受講できます。

昭和女子大学の敷地内にあるテンプル大学ジャパンキャンパスで授業を受け、単位互換やダブルディグリーの取得ができる=昭和女子大学提供
昭和女子大学の敷地内にあるテンプル大学ジャパンキャンパスで授業を受け、単位互換やダブルディグリーの取得ができる=昭和女子大学提供

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