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都立高入試男女別定員制は「憲法違反」 廃止求め弁護士らが意見書

2021.06.30

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山下 知子
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全国の公立高校で唯一、男女別定員制が設けられている東京都立高校入試。この仕組みは、憲法や教育基本法に反する許されない性差別であるとして、弁護士らで作る団体が6月28日、意見書を公表しました。文部科学省であった会見で、笹泰子弁護士は「能力に基づく選抜の否定であり、もはや学力試験の体をなしていない。許されない性差別であり、都には男女別定員制のすみやかな撤廃と公正な入試の実施を強く求める」と話しました。会では今後、都教育委員会や文科省などに意見書を提出し、廃止を訴えていくそうです。(写真は、都立高校入試の男女別定員制撤廃を求めて会見した弁護士ら=2021年6月28日、文科省)

全日制普通科の110校が設定

意見書を公表したのは、「都立高校入試のジェンダー平等を求める弁護士の会」。医学部不正入試訴訟の弁護団メンバーの有志によって作られました。会のメンバーの一人、山崎新弁護士は「長年、女性の方が高い点数を取らねばならないと薄々分かりながら今に至っている、という点で、医学部入試の女性差別と根を同じくする問題だ」と言います。

都立高の多くの一般入試は、内申点が300点、5教科の学力検査が700点の計1000点満点で合否が決まります。都教委によると、2021年度入学者の入試では、都立高の全日制170校のうち、普通科で学年制をとる110校が男女別の定員を設けました。男女間で合格最低点に大きな差が生じ、その多くで女子の点が男子を上回っているため、1998年度入試からは「緩和措置」が導入されています。9割を男女別で決め、残り1割は男女を一つの母集団にして合格者を決めるという仕組みで、21年度入試では42校が緩和措置を実施しました。

「都立高校入試のジェンダー平等を求める弁護士の会」がまとめた意見書
「都立高校入試のジェンダー平等を求める弁護士の会」がまとめた意見書

「当初の目的はほぼ達成」

弁護士らは男女別定員制について、個人が「その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利」を保障した憲法26条1項や、性別による差別を禁止している教育基本法4条1項などに違反する、と指摘します。また、日本も批准している女子差別撤廃条約では、男女に同一の試験を保障することを求めており、これにも反するとしています。

男女別定員制は1950年度に始まりました。当時は、それまでの男女別学制により偏りがあったことから、共学化を促す狙いでした。笹弁護士は「当初の目的はほぼ達成されており、制度を続けることに合理的な理由はない」と言います。また、こうした制度は、「性別によって同じ学校でも教育を受ける要件に差がある」という誤った認識を中学校の受験指導に与えるとし、それは「緩和措置」では解消できない、と指摘しました。

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