「1人1台」の生かし方

教えて!「GIGAスクール」 9問9答(後編) 目が悪くならない? 端末更新時の負担は?

2021.07.09

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葉山 梢
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小中学生に「1人1台」のパソコンやタブレット端末を配備する、国のGIGAスクール構想が進められています。保護者が感じる様々な疑問を文部科学省や各地の教育委員会に、ぶつけてみた後編です。
※写真は、授業後に黒板の板書をタブレット端末で撮影する児童たち=2020年10月2日、愛知県高浜市

30分に1回目を休めて

Q5 端末の持ち帰りで荷物がさらに重くなって大変そうです。

A5 小中学生の通学時の荷物が重くなっていることを懸念する声は以前からあり、文科省は2018年、全国の教育委員会などに対し、重さや量に配慮するよう求める事務連絡を出した。事務連絡では、家庭で使用しない教材は机の中などに置いて帰る、特別教室で使用する学習用具は特別教室内に置くといった工夫例を紹介している。

GIGAスクール構想で児童生徒に配られる端末は、機種によっては1キロ以上ある。持ち帰ると荷物がさらに重くなることから、文科省の情報教育・外国語教育課の高橋洋平課長補佐は「特に低学年の児童にとって重いランドセルは負荷がかかるのは事実。発達段階や通学の距離などの事情に配慮しながら、持ち帰りの頻度などを検討してほしい」と求める。端末は毎日持ち帰らないといけないというわけではなく、学校の判断で「数日に1度」や「週末のみ」にしてもいいという。

前橋市のGIGAスクール構想モデル校である市立桃瀬小学校では、今年1月に1人1台のiPadが導入されたのを機に、教室の後ろの棚に全員分のファイルボックスを用意した=下の写真、同校提供。同校では端末を毎日持ち帰っているため、家庭で使わない教科書や教材はこのボックスに置いて帰り、児童の荷物が重くなりすぎないようにしている。授業中は端末を机の中に保管するルールになっているため、机の中に収まりきらない教科書をしまう場所としても活用しているという。

教えて!「GIGAスクール」ここがわからない 9問9答(後編)目が悪くならない?

荷物の軽量化という面では、デジタル教科書の普及にも期待が集まる。文科省の有識者会議は3月、小学校の教科書が改訂される24年度からの本格的な導入を目指す中間まとめを出した。ただ、萩生田光一文科相は5月の朝日新聞のインタビューで「紙や活字文化は大事で、デジタル教科書に全くなじまない教科もある。24年度の全面移行を前提に議論しているわけではない」と述べている。文科省としては、その後に公表した有識者会議の第一次報告や、今年度に全国の小中学校等で行う実証研究の結果などをふまえ、紙との関係や利用する教科などを検討するとしている。

Q6 目が悪くならないか不安です。

A6 東京都小学校PTA協議会が昨年11~12月、保護者にGIGAスクール構想で不安に思うことを尋ねたところ、1位は「視力の低下」だった(下のグラフ)。

教えて!「GIGAスクール」ここがわからない 9問9答(後編)目が悪くならない?

文科省は日本眼科医会の助言で、視力の低下を防ぐために▽画面との距離を30センチ以上離す▽30分に1回は、20秒以上遠くを見て目を休める▽寝る1時間前からは使わない――ことなどを求める啓発リーフレットを作り、「学校や家庭でルールを決めて守ってほしい」と呼びかけている。

健康診断の視力検査とは別に、全国の小1~中3の9千人を対象に、近視や遠視、乱視があるかも調査することにしている。

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