学習と健康・成長

スポーツでも進むICT化、オンラインスポーツ教室のいま フルリモートの「受験体操クラス」も

2021.07.29

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小林 香織
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安全性への配慮により、スポーツ教育でもICT化が進んでいます。1975年の創業から幼児期のスポーツ教育に携わる「さわだスポーツクラブ」では、2020年5月からオンラインスポーツ教室を開講。2021年7月からは「受験体操オンラインクラス」も始まります。その内容やこれまでの成果を聞きました。

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話を聞いた人

澤田 康徳さん

さわだスポーツクラブ 取締役社長

(さわだ・やすよし)幼少期からサッカーを通じてスポーツ・運動の大切さを感じ、運動指導の道へ。2007年、父が経営する「さわだスポーツクラブ」に入社。2017年に社長に就任し、体操の授業や野外学習の企画、経営を中心に携わる。2016年からプラスチックカップを積んで崩す競技「スポーツスタッキング」の普及を目的とした一般社団法人WSSA-JAPANの副理事長も務める。

幼少期に重要な「脳に刺激を与える運動」が中心

――オンラインスポーツ教室を始めた経緯を教えてください。

2020年4月、新型コロナウイルスの拡大により一斉に休校措置が取られた際、オフラインでのクラス開催が難しくなりました。そこで1ヵ月の準備期間を経て、オンラインスポーツ教室「さわだっこ」を開講しました。

弊社では、2019年頃からYou Tubeでの動画配信を行ってきましたが、先生と生徒が相互にコミュニケーションを取りながら行うオンラインクラスは初めての試みです。

――「さわだっこ」では、どのような指導を行っているのでしょうか?

ビデオ会議ツール「Zoom」を使った、40分構成の会員向け無料配信と目的に沿った運動指導を行う1時間の有料配信を提供しています。いずれも「脳に刺激を与える運動」「親子で楽しむ運動」「ダンス」の3種類がメインで、3歳〜11歳が対象です。

定員は毎回30名。先生だけでなく参加する子どもたちの姿も画面上に映して、時々、参加者の声を聞きながら進めています。普段のクラスの延長と考え、なるべく一方的な指導にならないように心がけています。

――「脳に刺激を与えるメニュー」とは、どんな運動でしょうか?

瞬発力、身体の柔軟性、リズム感などが養える運動を指し、「縄跳び」「ダンス」「指遊び」などが当てはまります。これらは、2つ以上の動作を同時に行うなど脳により多くの刺激が与えられ、一度覚えると忘れにくい特徴があります。

なぜ、幼児期に脳に刺激を与える運動が大切なのかというと、この時期に脳の土台が作られるためです。人が成人するまでの成長具合が示されたスキャモンの発育・発達曲線では、脳や脊髄といった神経全般が5歳で90%程度に成長すると示されています。

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赤線の「神経型」が示すように、5歳以降は神経全般がゆるやかに成長する(さわだスポーツクラブのHPより)

運動の原理として、例えば「先生と同じ動きをマネしてみましょう」と指示を与えると、目や耳からの情報が知覚神経系、大脳、脊髄、運動神経系を通って筋肉に伝わり、身体が動きます。これら一連の情報を伝える道を総称して「運動神経」と呼びます。

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「運動神経」の仕組み(さわだスポーツクラブのHPより)

運動能力が遺伝することはあっても、一般的に運動神経が遺伝することはありません。繰り返し運動刺激を与え経験を積み重ねることで運動神経が発達し、より精度の高い情報を伝えられるようになります。幼児期に運動神経を鍛えると、成長しても維持しやすいことから、脳に刺激を与えるメニューを多く取り入れています。

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