学習と健康・成長

いま求められる探究する力とは? 「こども商品開発」で主体性を育む『キッズM』に聞く

2021.07.28

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小林 香織
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2022年度から高校で新設される科目「総合的な探究の時間」。これは変化する社会において「生き抜く力」を身に付けるのが目的とされています。「商品開発」のプロセスを通じて、小学生から探究心を養うことを目指すキャリア教育の教室「キッズM」に、求められる具体的なスキルと家庭での育み方を聞きました。

「認められた」実感の繰り返しで探究心が育まれる

――「こども商品開発」は、どのようなプログラムですか?

(熊本)企業における商品開発業務と同様に、研究、アイディア出し、企画作成、調査、ブラッシュアップ、プロトタイプ制作、プレゼンテーションの一連のプログラムを実施します。プレゼンテーションでは、商品開発のプロに企画を提案します。

ーーなぜ、商品開発のプロセスで「探究する力」が養われるのでしょうか?

(熊本)商品開発は、課題解決とまったく同じプロセスなんです。子ども自身が考え、調べ、判断し、表現する過程を経ることよって「探究する力」が身に付いていきます。どうやって子どもたちに積極的な参加を促すかというと、「認められた」と子ども自身が感じ、自信を得られる機会を多くつくること。

例えば、子どもがアイディアを出したときに「よく思いついたね」「おもしろい着眼点だね」などと承認する。たとえ突拍子もないアイディアでも決して否定はしません。子どもたち同士のディスカッションにおいても、「他の人のアイディアを絶対に否定しない」というルールを設けています。

「あれをやりなさい」「これを調べてみなさい」といった指示もNG。答えを与えることで、探究心が失われてしまうからです。その代わりに現実的な疑問をたくさん投げかけ、子ども自身に考えさせ、試行錯誤をすることで対象への興味を促していきます。そういった体験を積み重ねることで、子どもたちはどんどん対象にのめり込んでいき、止まらないほどの探究心が湧いてきます。

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「こども商品開発」でプレゼンテーションする小学生

――プログラムを実践する過程で、難しいことはありますか?

(熊本)年代によっても異なりますが、「受け身の姿勢」がもっとも課題ですね。7日間で完結するプログラムのうち、初日がもっとも探究意欲が低く「何を教えてくれるの?」という姿勢の子が大半。学校では「正解は1つ」という授業が多いせいか、正解を知りたがるのも特徴的です。

しかし、商品開発は正解が1つではないことが醍醐味であり、それこそが探究心の育成につながります。ただし何も知識を与えないのではなく、最初にフレームワークを渡して、「なぜそれを行うのか」というセオリーを教えます。

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子どもたちを探究に導くためのフレームワーク例とプレゼンテーション制作のコツ

(熊本)子どもたちのやる気を引き出す過程がもっとも難しいと感じますが、ほとんどの子どもは本来、好奇心を持っています。承認された体験により「不正解がない」ことを理解して、発想・創造する楽しさを実感できてくると、どんどん主体的に動けるようになります。

――プログラムに参加した子どもや保護者からは、どんな声が聞かれますか?

(熊本)小学生からは、「発表が緊張したけれど、やりきれた。またやってみたい」「題材で扱った伝統工芸について興味を持った」など。保護者からは、「軽い気持ちで娘にすすめたのですが、ここまで真剣にあれこれ考えて取り組むとは思っていませんでした」「努力して作り上げたプレゼンを大人に認められた、という達成感を得られたと思います」といった意見がありました。

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