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将来の夢は「会社員」 トップに浮上した理由とは コロナ禍でキャリア教育も変化

2021.07.30

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大橋 礼
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2021年3月、第一生命保険が発表した「大人になったらなりたいもの」調査結果で “会社員”が1位となりました。長くランク外だった会社員が、なぜ今トップになったのか。当の保護者はどう感じているのか。そして、保護者は子どもにどう接していけばいいのか。これらの疑問について、キャリア教育の専門家と小学生の子どもを持つ保護者に聞きました。

リモートワークで身近になった「会社員」

第一生命保険の「大人になったらなりたいものアンケート」(小3〜高校生対象)調査結果で、男子の小中高生、女子の中高生のいずれも“会社員”がトップとなりました。

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出典:第一生命『大人になったらなりたいもの』アンケート

キャリア教育を専門とする筑波大学の藤田晃之(ふじた てるゆき)教授に、この結果についてご意見を聞きました。

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キャリア教育を研究する、筑波大学人間学系の藤田教授

「まず、前提として調査対象が今回から幼児や小学校低学年を含めず、小学3年生から中高生までと年齢層が上がったこと。そして、インターネットによる調査方式になったことが影響していると考えられます」

藤田教授によると、4歳くらいの子どもには「昨日・今日・明日」など時間の経過を大きく捉える感覚がまだあまりないのだそう。そのため、幼児に「大きくなったらなりたいもの」と聞くと、今この瞬間に「何に変わりたいか」と考え、パッと思いつく仮面ライダーやプリンセスといった答えが返ってくることが多くなります。

一方、6〜7歳前後からは時間経過の感覚が徐々に育ち、「大きくなったら」を未来のこととして漠然と認識するようになります。中高生になれば、進路も含めて将来を捉えるようになり、会社員という現実的な回答が増えたと考えられます。

では、調査結果はコロナ禍の影響を受けていないのでしょうか? 藤田教授は「2つの要因による影響が考えられる」と話します。

1:リモートワークなどにより会社員という仕事が身近になったこと
2:不安感に対して「安定した会社という存在感」を子どもながらに感じていること

「お父さんお母さんが、たとえばパソコンを前に難しい言葉で話し、真剣な表情で次々と仕事を処理していくのを間近で見て、『なんてかっこいいんだ!』と思ったお子さんは多いでしょう。改めて、会社員という働き方を身近に感じた影響もあるでしょう」

「また、エビデンスはなく、感覚的なものですが、不安定な生活を過ごすなかで、『会社というものが自分達の暮らしを支えているらしい』と感じた子もいるのではないでしょうか。そうした大きな存在に支えられる安定感が魅力的に映り、会社員に対する関心が深まった可能性も考えられます」

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