学習と健康・成長
コロナ下での子ども同士の遊び「いっそ基準出して」「ママ友の関係性変わった」 保護者に聞く
2021.08.02

コロナ禍でわが家ルールを徹底した結果、ママ友同士の関係性が変化
昨年から一貫して不要不急の外出は避けてきたSさん(45歳)。中学生の次女から「春休みにどうしてもディズニーランドに行きたい」と懇願されましたが、許しませんでした。
「小学校時代からの仲良しグループ8人で行く、入場者数の制限があるものの全員分のチケットが取れそうだと言うんですね。『他の子はみんな親がOKしたのに、なんでうちはダメなの?』と何度も聞かれました」
グループの一部のママとは交流があり、連絡をしてみると、1人は「たまにはいいんじゃないの」とあっさりとしたもの。もう1人は「Sさんちはダメって言ったの? 娘が8人みんな行くって言うから、1人だけ行けないのはかわいそうかと思って仕方なくOKしたのよ。それならウチも反対すればよかったわ」と困惑ぎみな様子だったそうです。
それから数日後、帰宅した次女がいきなりSさんに向かって、食ってかかってきたというのです。
「ディズニーランドは偶数じゃないとダメなの! 私が行けないのはもうあきらめてるよ。でもね、ママがダメって言ったせいで、○○ちゃんも行けなくなったんだよ。私、合わせる顔がないよ!」
よくよく聞いてみると、2人で乗るアトラクションが多いから、ディズニーランドに行くときは常に偶数になるように仲間の数をそろえるのだそう。
次女が参加しないことが決まり、もう1人誰を加えるかでひと悶着。最終的にSさんと電話で話していたママ(○○ちゃんの母親)が、「そもそも最初から反対すればよかったと思ってたのよ。そんなことで揉めるくらいなら、あなたが行くのをやめなさい」と伝えた、という経緯がありました。
「ママが余計なことを言うから」。半泣きになって怒る次女に、Sさんも呆然としてしまったそうです。
さらにそれだけでは終わりませんでした。ディズニーランドへ行く組でLINEグループができ、当然ながらSさんの次女はそこに入れません。チケットも無事に取れたそうで、みんな大盛り上がりしている輪の中にも入れません。
「それがきっかけで、うちの子ともう1人の子は仲間外れとは違いますが、なんとなく疎外されてしまったんですね」
マイペースで周囲に流されないタイプのSさんの次女。友達がショッピングモールや映画に行くという時も、「うちは絶対ダメと言われているから」と最初から断るくらいで、あきらめている様子でした。しかし、今回は家での落ち込みようも激しく、それに気づいた夫とSさんが今度は言い合いになってしまったのだとか。
「夫婦での考え方の違いも浮き彫りになった感じです。夫は仕事柄、現場に出ることも多く、マスクして気をつけていれば平気というスタンス。ゴルフにも行こうとする夫と、それまでも何度か言い争いになっていたんです」
夫は次女の話を聞き「そこまで禁止しなくてもいいだろう」と話を蒸し返し、夫婦喧嘩になってしまいました。
「しかも行った子たちが娘にお土産を買ってきたんですね。その受け渡しを見ていた他の子が『みんなでディズニーランドへ行ったんだって』と親に話し、その親が学校に伝えるという大事にまでなってしまいました」
学校側は保護者会で「なるべく大勢で出かけるのは控えてください」と伝えるだけに留まりました。しかし今度は、行かせた親たち同士で「神経質すぎる」「どの親が学校に話したのか」と愚痴を言い合い、Sさんはママ同士の関係に頭を悩ませたと言います。
「結局は絶対に正しい判断なんてなくて、家庭ごとの考え方だから難しいです。娘は今、部活の仲間たちのほうと親しいようで、ケロッとしてますけどね。でも、よくよく考えたらコロナ禍に関係なく、子どもの友達関係は変化していくのが普通。親同士の関係も子どもの年齢があがってきたら、変化するものなんですよね」