学習と健康・成長

コロナ下での子ども同士の遊び「いっそ基準出して」「ママ友の関係性変わった」 保護者に聞く

2021.08.02

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大橋 礼
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12歳以上を対象にワクチン接種が進んでいるとはいえ、今なお続く新型コロナウイルス感染症の拡大。子どもたちをずっと家に留めておくわけにもいかない、かといって、家に大勢の友達を呼ぶのはどうかと思う……。では、何人までなら大丈夫なのか、外ならいいのかと、友達との関わり方で悩む保護者も少なくありません。年齢や住む場所もさまざまな保護者に、コロナ禍における子どもの遊び方、家庭でのルールなどについて伺いました。

価値観が違っても受け止めて「わが家の考えを軸にして行動するだけ」

北海道札幌市在住のNさん(37歳)は小2の長女と3歳の次女がおり、同居ではありませんが、隣には高齢の両親が住んでいます。

最初の緊急事態宣言が出たときから、Nさんは姉妹に「家にお友達を呼ぶことはできないんだよ。コロナは悪いばい菌で、やっつける薬もまだないから、我慢しないといけないんだよ」と繰り返し言い聞かせてきました。

昨年の秋には学校も通常に近い時間割になり、全体的に自粛のムードがゆるんできました。小学校に隣接した公園で小さい弟や妹がいる保護者が集まり、次女たちを遊ばせながら下校する小学生を待つパターンが「なんとなくできあがった」のもその時期です。

当然、小学校帰りの子どもたちは一緒に遊びたがります。そして誰が言い出したか、「マスクしていれば大丈夫でしょ」「うちで宿題を一緒にやらせない?」といった会話から、家に集まることになったのだとか。

「親の顔ぶれはだいたい3〜6人です。子どもを連れて集まると10人以上にもなります。私は、『ウチはちょっと……』と遠慮しました。しばらくすると、長女からこんな話を聞かされました。公園の仲良しグループは、みんなで集まって宿題やったり、ゲームしたりしている。今日も誘われたけど、ある子から『あ、Nちゃんちはダメなんだっけ。ママが言ってたよ、Nちゃんちって神経質なんでしょ』と言われた、と。『うちって神経質なの?』と聞かれて、返答に困りました」

そこで再び、Nさんは公園でマスクして短時間遊ぶのならいいけど、おうちに大勢で集まるのはコロナという病気を人にうつしたり、もらったりしたら大変だからダメなんだよ、と丁寧に説明しました。

「他の家には他の家のやり方や考えがある、そして、うちにはうちの考えがある。ただそれだけのことと考え、なるべくいつもどおりの態度で通しました」

公園でもこれまでと変わりなく、ランドセルをベンチに並べ、その周囲をかこむようにしてママ同士で井戸端会議。時間を見計らって、サッとNさんは帰宅しました。

「とはいえ、私だって気に病むことはありましたよ」とNさんは苦笑いを浮かべました。たとえば「昨日ウチでさ、○○ちゃんがNiziUのマネしたのウケた!」「あ、アレね!」とママたちが大笑いする時、話題に入れず居心地が悪く感じたことはあったそう。

「みんなで集まって宿題やらせると、子どもも頑張るからいいよね」「やっぱり子どもって一緒に遊んでいくうちに学ぶものってあると思うのよ。子どもだって息抜きしたいし、遊ばせないなんて逆に不健康じゃない?」といった会話もよくあり、後から考えると自分のことを遠回しに言っていたのだなぁと思うことも。

それからしばらくして、グループの別のママと2人きりのときにこう言われたそうです。

「Nさんは何か言われても毅然としていてすごいなぁ。わたしは子どもが仲間外れにされたらとか、ママ同士の情報も教えてもらえなくなるかも、とかいろいろ考えちゃう。最近なんて夕飯も一緒にってピザをとったりもするのよ。どうなのかなって思うんだけど、誘われると断れなくって」

Nさんはこのママの気持ちも理解できるけど、コロナ禍という特殊な状況だからこそ、家庭の考えを軸にして行動するしかない、ときっぱりと言いました。

「それに違う考えでもお互いに理解して、お付き合いできるママたちもいます。互いに遠慮なく声をかけて、うちはちょっとね、となったらさらっと受け止めています」

Nさんはコロナ禍を通じて、価値観が同じと思えるママたちとそうでない人たちとの差がくっきり出たと感じているそう。でも、親同士の関係よりも、子ども同士が普通に遊べるようになればそれでいい、と肩をすくめます。

「コロナが終息したら、そのうち子どもたちは以前通り遊ぶようになると思うんです。ただ親の間にうまれた距離感はもう戻らないかもしれないですね」

長引くコロナ禍から、親も子も不満や苛立ちが蓄積されているのでしょう。考え方が違う相手を受け入れられないだけでなく、無意識のうちに排除しようとしたり、時には「あなたが間違っている」と弾劾しようとしたりするケースもあるようです。

「うちはうち、よそはよそ」。昔から言われてきた言葉どおりに、わが家ルールはしっかり守りながら、周囲とはおおらかな関係を保つことが求められているのかもしれません。

(編集:野阪拓海/ノオト)

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