海外大進学という選択

熊本県立高から米ミネルバ大へ「熊本で育ったから進学できた」 成松紀佳さん

2021.08.06

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山下 知子
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熊本県立高校から米ミネルバ大へ進学した成松紀佳さん。カリフォルニア州に本部を置き、2014年に開学したミネルバ大はキャンパスがなく、授業は全てオンライン。世界7カ所の拠点を移動しながら学ぶ、少数精鋭の全寮制の大学です。「熊本という環境だったから進学できた」と話す成松さん。なぜミネルバ大を選んだのか、熊本でどんな中高時代を送り、英語はどのように学んできたのか。話を聞きました。(写真は、米サンフランシスコの名所ゴールデンゲートブリッジを背景にミネルバ大の友人たちと写真に納まる成松さん〈前列中央〉=成松紀佳さん提供)

成松紀佳

話を聞いた人

成松紀佳さん

米ミネルバ大2年生

(なりまつ・のりか) 2000年、熊本市生まれ。中高一貫校の熊本県立宇土中学・高校に進学し、17年に高校生・高専生科学技術チャレンジ(JSEC)に計3人で出場。「“副実像”の写像公式化の研究」で物理学・天文学分野で花王賞受賞。この研究で18年、米ピッツバーグで開かれた国際大会ISEFに出場。19年、米ミネルバ大へ進学。21年9月から3年生。16年の熊本地震では自宅が被災し、みなし仮設で過ごした経験も。

熊本県の海外チャレンジ塾でマインド形成

ミネルバ大というユニークな大学を選んだ背景には、熊本という環境で育ったことがあると思います。

熊本県には、2013年にできた県の「海外チャレンジ塾」があって、私は中学から通っていました。二つ上に県立高校から米マサチューセッツ工科大に行った先輩らがいて、とても刺激的でした。「海外大へ行く」というマインドは、ここで作られたと思います。

海外大を目指すことを決めた後も、チャレンジ塾の先輩たちに出願時の推薦状をどういう人にどう書いてもらうか、いろいろと相談ができました。宇土高から海外大へ進んだのは同学年で私だけですが、チャレンジ塾の同級生では、県立玉名高からカナダのブリティッシュコロンビア大に行った子、県立熊本高から米ジョージア工科大へ進学した子、米カリフォルニア芸術大に進んだ子たちがいました。ブリティッシュコロンビア大へ行った女子生徒とは、英語の勉強などで互いに励まし合うことができました。

コロナ禍前に開かれた、海外チャレンジ塾の英語の講座。熊本県内各地から集まった生徒たちが、ネイティブ講師の説明に耳を傾けた=熊本県私学振興課提供
コロナ禍前に開かれた、海外チャレンジ塾の英語の講座。熊本県内各地から集まった生徒たちが、ネイティブ講師の説明に耳を傾けた=熊本県私学振興課提供

英語や出願書類の書き方なども、チャレンジ塾でみてもらいました。週1でオールイングリッシュのTOEFL対策講座があり、大学出願時に必要な英文エッセーの対策講座もありました。民間の塾に頼ったら100万円以上かかります。本当に助かりました。

県がこうした取り組みをしていたので、学校の中には理解ある先生も多くいました。県の研修を受けた「海外留学・進学アドバイザー」の英語の先生もおり、TOEFLや、大学進学のために米国の高校生が受ける標準テストSATの勉強で分からないところがあれば、教えてもらえました。出願時に、どんな学校なのかを説明したスクールリポートを学校が用意する必要があるのですが、他校から海外大へ進学した人の資料を取り寄せて、何度も書き直して作ってくれました。

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