一色清の「このニュースって何?」

対決型競技の勝者の決め方 → オリンピックを見ながら「頭の体操」

2021.08.06

author
一色 清
Main Image

リーグ戦の長所と欠点とは?

リーグ戦というのは、参加チームがほかのすべてのチームと対戦する総当たり形式のことをいいます。たとえば、A、B、C、Dの4チームのリーグ戦の場合、A対B、A対C、A対D、B対C、B対D、C対Dの6試合が行われます。リーグ戦の試合数は縦にA、B、C、D、横にもA、B、C、Dと書いた16マスの正方形をつくればよくわかります。A対Aなど同じチーム同士の試合はないので、左上から右下までの4マスには斜めの線を入れます。残った12マスにはA対B、B対Aという同じ試合が重なっていますので、実際の試合数はその半分になります。つまり、(4×4-4)÷2=6が試合数になります。たとえば参加チームが9チームだった場合は(9×9-9)÷2=36で、36試合行われることになります。

オリンピックのサッカー、バスケットボール、バレーボールなどの球技では、まず予選をリーグ戦で行い、予選の上位チームがトーナメント形式で金メダルを争います。男子サッカーの場合は、16チームが4グループに分かれて予選リーグを行い、各グループ上位2チームの計8チームがトーナメント形式の試合に臨みます。準決勝で敗れたチーム同士の3位決定戦もあります。これだと全部で何試合になるでしょうか。

まずリーグ戦ですが、一つのグループの試合数は(4×4-4)÷2の6試合です。それが4グループありますから6×4の24試合です。トーナメント形式は8チームで行いますので、8-1の7試合に3位決定戦の1試合を加えて8試合になります。リーグ戦と合わせて24+8の32試合ということになります。

どうして勝者を決める方法がいくつかあるのでしょうか。それはトーナメント形式にもリーグ戦形式にも一長一短があるからです。トーナメント形式はたくさんの参加チームがある時によく使われます。リーグ戦より試合数が少なくてすみます。また、毎試合「これが最後かもしれない」という緊張感があり、盛り上がります。ただ、一発勝負なので、実力通りの試合結果にならない場合があります。

リーグ戦は総当たりなので、おおむね実力が反映されます。1996年のアトランタオリンピックの男子サッカーでは、リーグ戦の初戦で優勝候補筆頭のブラジルを当時ワールドカップに出場したこともなかった日本が破りました。ただ、残る2試合を連勝したブラジルは決勝トーナメントに出て、3位になりました。トーナメント形式ならブラジルは日本に負けた時点で終わっていたのですが、リーグ戦だったので命拾いをしました。逆に日本はリーグ戦3位で、決勝トーナメントに出られず終わりました。

リーグ戦の欠点は、参加チームが多いと試合数が多くなりすぎることや、トーナメントに比べると優勝決定の盛り上がりに欠けることです。そのため、オリンピックでは両方を組み合わせた形式をとっています。

トーナメント形式、リーグ戦形式、両方合わせた形式のほかにも、やり方はいろいろあります。大相撲は番付の近いもの同士があたる変則リーグ戦方式ですし、囲碁や将棋は名人や棋聖といったチャンピオンにリーグ戦やトーナメントで首位になった棋士が挑戦する形式です。今回のオリンピックの野球のように、敗れ去るチームのない変則リーグ戦と、リーグ戦の順位やトーナメントの勝ち負けによって試合数が変わる変則トーナメントを組み合わせた複雑な方式もあります。調べるともっといろいろなやり方があると思います。夏休みの自由研究で調べてみてはどうでしょうか。

新着記事