海外大進学という選択

国際バカロレア認定校の学びとは? 筑波大附属坂戸高の授業をのぞいてみた

2021.08.18

author
市川 理香
Main Image

1期生は英・豪・ベルギーの大学に合格

――入学後、DPでの学びが進むと生徒の変化はどこに表れますか。

普段の生活やそれまでの学校生活で自分を表現する機会が少ないためか、 IBコースの生徒は自分を表現するのが楽しいと言います。「解放されて」というよりも、そもそも「どう思うか」などとこれまで聞かれてこなかったので、自分で考えなくてはならない、自分で探究していかなければならない授業であることが、生徒を大きく変えるのだと思います。日本の中学生は、筋が通って体系的に理解してはいるものの、どういう関係があるかまではわかっておらず、知識が横に広がりのない状態なので、ニュースを見て勉強してきなさいとアドバイスします。一方、ディスカッションに慣れている帰国生はIBの学び方ができているかというと、必ずしもそうではありません。確かにトピックを深く学んでいますが、前後関係のつながりがなかったりスキップしていたりするので、内容に一貫性がないこともあります。IBは、知識を広げる、知識をつなげる、その両方が求められます。つまり「バランスのとれた人」ということに行き着くのです。

――IBコース1期生は、どのような進路を選びましたか。

今年卒業した1期生は6人で、うち5人がDPを取得しました。

2020年11月に行われた最終試験の世界平均スコアは約30点(45点満点)で、本校の平均もそれくらいでした。1期生が高校3年だった20年は、コロナ禍で学校では対面授業ができずオンライン対応となったり、最終試験の内容も変更されたりしました。11月の最終試験の結果は1月初旬にならないとわかりません。もろもろの条件が重なり生徒の進路志望に影響がありましたが、University of the Arts London(英国)、The University of Melbourne(豪州)、Monash University(同)、KU Leuven(ベルギー)などの海外大学にも合格しています。

――生徒は、深く学んでいるという自覚はあるのでしょうか。

課題を提出するのが大変だということだけで、今はわからないかもしれません。しかし、大学へ行って初めてわかると思います。

IBプログラムでの学び方を10代で身につけておく意味はあると思います。中学校で物足りなさを感じている生徒は、 DPの授業が楽しいでしょう。IBできちんと評価されDPを取れた子なら、新人教育なしで高校卒業後にすぐに仕事ができるのではないかとさえ思います。ただし、自己管理もきちんとしなくてはいけないので、なんとなく面白そうという中学生には、私は簡単にはお勧めしません。ですが、自分で考えたいとか物足りないとか意欲がある生徒には向いているプログラムだと思います。

新着記事