学習と健康・成長
青学初等部×CA Tech Kids 思考も技術も身につけるプログラミング授業とは
2021.08.13

青山学院初等部はCA Tech Kids と提携し、2021年秋から本格的なプログラミング教育を始動。4〜6年生を対象とし、3年間かけて「プログラミング的思考」にとどまらず、プログラミングの技術そのものを身につけ、課題解決に活かす力を育むカリキュラムを実施していきます。学校教育として民間スクール並みの授業を行うのは、全国でも先進的。なぜ小学生の段階から、本格的なプログラミング授業を実施するに至ったのか。青山学院初等部部長、情報主任、そして、CA Tech Kids代表の3者に伺いました。
(なかむら・さだお)青山学院初等部教諭、教務主任、教頭を経て、2012年度より部長に就任。2018年6月より東京私立初等学校協会副会長。2020年6月より日本私立小学校連合会副会長。
(いむら・ゆたか) 専任教科はコンピュータ(2020年度より)。情報主任。ICT活用を推進するかたわら、青山学院大学大学院教育人間科学研究科にてICT導入と教員・児童の意識変化を研究。2020年度からは青山学院大学大学院社会情報学研究科で主体的学びとICT活用について研究。
(うえの・ともひろ) 2010年、新卒でサイバーエージェントに入社。2013年5月同グループの子会社として株式会社CA Tech Kidsを設立し、代表取締役社長に就任。小学校でのプログラミング教育必修化に際しては文科省の有識者委員も務め、プログラミング教育の普及、推進に尽力する。
産学それぞれの強みを生かし、指導要領のさらに先へ
——今回の提携では、民間スクールの中でもハイレベルとされる「Tech Kids School」(テックキッズスクール)のカリキュラムを、青山学院初等部(以下、青学初等部)に導入されるそうですね。まず、提携のきっかけを教えてください。
上野:株式会社CA Tech Kids(シーエーテックキッズ)は2013年以来、渋谷で小学生のためのプログラミング教室Tech Kids Schoolを運営してきました。その中で、青学初等部とは地理的に近いこともあり、多くのお子さまに通っていただけていたんです。
これはつまり、青学初等部の保護者の方の多くが、プログラミング教育に興味を持っておられるのではないか。そうした背景から、当社からご提案して、2019年の冬休みに青学初等部内で、Tech Kids Schoolの提供によるプログラミングワークショップを実施させていただきました。これが今回の提携の最初のきっかけです。
その後、情報主任の井村先生とは折に触れプログラミング教育についての意見交換などをさせていただいていました。そして2020年末、「青学初等部で2021年度からプログラミングに力を入れていきたいと思っている」というご相談があり、当社からカリキュラムを提案させていただくことになりました。

井村:青学初等部では2012年度より学内にICT教育戦略委員会を設置し、産学協働でICT活用と環境整備を推進してきました。また、部活動や任意参加のワークショップなどで、児童が電子工作やプログラミングに触れられる機会を用意してきました。低学年でのプログラミング体験は、小型ドローンを使って体系的に学べるように工夫されていますが、中学年以上でのカリキュラムがなかったのです。
結果的に、それぞれの取り組みが単発で終わってしまう感は否めず、私がコンピュータの専科に異動したのをきっかけに、より学びを深められる方法はないものかと悩んでいました。その点、Tech Kids Schoolでは本格的なプログラミングに取り組めるだけでなく、課題解決の思考やプレゼンなど幅広くカバーされており、学習指導要領の先を行く内容だと感じました。2019年に校内で実施してもらったワークショップも、参加した児童や保護者からの評価が高かったことから、今年度から正式にパートナーシップ協定を締結するに至りました。
