学習と健康・成長

青学初等部×CA Tech Kids 思考も技術も身につけるプログラミング授業とは

2021.08.13

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夏野 かおる
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プログラミング的思考はいわば「上澄み」

——これから導入予定のカリキュラムの内容について、具体的に教えてください。

上野:まず時間数に関しては、4〜6年生で年間各15コマ、合計45コマ実施する予定です。カリキュラムでは、このうち4・5年生を基礎知識の習得フェーズ、6年生を課題解決フェーズに位置付けました。

4・5年生では、ゲーム制作を通して、プログラミングに必要な諸概念を学んでいきます。「ゲーム」という言葉に忌避感を覚える方もいるかもしれませんが、実はプログラミングを学ぶ方法としては、非常に優れているんです。たとえば、「乱数」の概念を教えるにあたっても、数学的な知識をそのまま教えるのではなく、乱数を使った「もぐらたたきゲーム」を作ってもらい、もぐらの動きと「乱数」という知識をリンクさせて理解してもらう。そうすることで、楽しく、かつ実際の使用シーンを思い浮かべながら知識を習得できるのです。

また、今回は3年間におよぶ長い学習になります。そのため、経過点として、民間試験である「プログラミング能力検定」を受検したり、開発した作品を定期的に校内で発表したりすることなども計画しています。一般的に子どものプログラミング学習は成果が見えづらいなどとも言われますので、児童本人や保護者など周囲の人にとっても学習の手応えや成長を感じられるよう、さまざまな手段を試していきたいと考えています。

そして、いよいよ6年生では、このカリキュラムの本丸である、学んだ知識を活かした身の回りの課題解決に取り組んでもらいます。学校やクラスで課題になっていることや、家族の困りごとを見つけ、それに対してテクノロジーによる解決に挑戦するのがゴールです。簡単なアプリケーションなどを開発するのがアウトプットのイメージです。

——かなり奥行きがあって、本格的なカリキュラムですね。

上野:実は、提案した私たち自身も、「てんこ盛りなカリキュラムだから、断られないだろうか」と心配していたほどです。

井村:私たちは多くの学習と同じように、プログラミングもまた、繰り返し取り組むことによって知識が定着していくと考えていました。しかし、現在の学習指導要領では、「算数の多角形の単元内で、プログラミングを使って描こう」など、単発で完結している印象がありました。年間の時限数が限られる中、このような方法でプログラミングを取り入れることはやむをえないことです。しかし、幸いにして青学初等部では、週に1時間のコンピュータ学習の時間が設けられており、学習指導要領よりも発展した内容を扱える土壌がありました。

加えて、GIGAスクール構想により、児童たちが1人1台の端末を使えるようにもなりました。この土壌と環境を、最大限に活かしたい。そのような想いから、「てんこ盛り」なカリキュラムで進めていくことを決定いたしました。

青学初等部_6

上野:小学校でのプログラミング教育は、プログラミングのスキル習得ではなく、「プログラミング的思考(論理的思考力とも)」の獲得がねらいと言われます。

しかし、私個人としては、そのような思考法は、“プログラミングそのものにしっかり取り組んだからこそ”獲得できるものだと考えていて、上澄みをすくい取るように思考法だけを身につけるのは、難しいのではないかと感じています。

その点、今回は45コマもの時間があるので、プログラミングそのものにしっかり取り組むことができます。プログラミングそのものの知識・技術を身につけ、テクノロジーによる課題解決の力を育みながら、結果として「プログラミング的思考」も身につけることができると考えています。

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