学習と健康・成長

算数・数学で養う「答えのない課題に立ち向かう力」 思考力を伸ばすポイントは

2021.08.26

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佐々木 正孝
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算数・数学といえば、計算力や公式の暗記を思い浮かべる方も少なくないでしょう。一方、近年の中学受験では思考力を問う問題が数多く出題されています。算数・数学における思考力とはどんなもので、どう養えばいいのか。算数・数学思考力検定の監修を務める筑波大学大学院の清水美憲教授と、検定を主催するiML国際算数・数学能力検定協会に聞きました。

日本の子どもたちは読解力、算数・数学の読解・活用に弱い?

算数・数学に求められる力といえば、「いかに速く計算できるか」という計算力、そして「公式に当てはめて問題を解く」という暗記力を思い浮かべる方が多いかもしれません。確かに、算数・数学では解法を暗記し、計算問題をスピーディーにクリアすることで得点につながってきました。

しかし、教育の現場では危機感もあったようです。筑波大学大学院の清水美憲教授によると、「懸念されたのは子どもたちの読解力・数学的リテラシーの低下だった」と言います。

算数思考力_1
筑波大学大学院の清水美憲教授

「経済協力開発機構(OECD)が行っている国際学力調査(PISA)では、2000年代前半に、日本の15歳の子どもたちの読解力や数学的リテラシーの低下が明らかになりました。順位自体は世界的に見て、日本の子どもたちの学力が見劣りするわけではありません。しかし、自分で考え、算数や数学の知識・技能を活用する力に課題があったのです。そこで、算数・数学教育では活用力をどのように育むかに注目が集まりました」(清水教授)

算数思考力_2

1990年代後半の学校教育では、詰め込み型から脱却した、いわゆる「ゆとり教育」が提案されていました。学習内容の約3割を削減し、「子どもが自分で考え、課題を解決していく力」を伸ばすための模索が始まりました。

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