学習と健康・成長

子どもの心をフォローする3つの方法 中学受験では保護者が焦らない工夫を

2021.08.19

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佐々木 正孝
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ただでさえ緊張と不安がつきものの受験生活。先が見えないコロナ禍では、子どもの心にトラブルが生じる可能性も。受験勉強をサポートする保護者はどう支えたらいいのでしょうか。国立成育医療研究センターの田中恭子先生に聞きました。

Kyoko_Tanaka

話を聞いた人

田中 恭子さん

国立成育医療研究センター こころの診療部 児童・思春期リエゾン診療科 診療部長

(たなか・きょうこ)小児科専門医。日本臨床心理士。専門は子どものメンタルヘルス。順天堂大学医学部卒業後、イギリスで発達心理学を学ぶ。順天堂大学医学部小児科准教授などを経て2015年より現職。小児精神医学で治療、研究に励むかたわら、子どものメンタルに関する情報を発信している。

子どもの「心の防衛機能」に注目

――新型コロナウイルスの感染拡大により、私たちの日常は大きく変わりました。改めて、子どもたちの心に、どのような影響があったのかを教えてください。

アンケートを実施したところ、回答した小学4~6年生の15%、中学生の24%、高校生の30%に、中等度以上のうつ症状が見られました。

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2020年11月~12月に実施した「コロナ×こどもアンケート」第4回調査より

子どもの心の専門家として、この数字はそこまで驚くべきものではないと考えています。むしろ、自分の心のしんどさに気付く子どもがこれだけいるんだ、とポジティブに捉えたいところですね。

というのも、心のしんどさに気付かないまま、疲弊してしまうのが一番の問題だからです。見守る立場の保護者は何ができるのか、子ども自身は何に気をつけたらいいのか。今回のアンケート結果は、そんなことを考えるきっかけとして捉えていただければと思います。

――「中等度以上のうつ症状」とは、どのような症状として現れるのでしょうか?

「うつ症状」といっても、うつ病とは違います。うつ症状は、主に「気分の変化」「行動面の変化」「身体の症状」の3つの変化として現れます。

まず、「気分の変化」では主に気持ちの落ち込みが考えられます。例えば、今まであったことに興味や関心がなくなったり、なぜか分からないけど涙が出てきたり、イライラして怒りやすくなったりします。

次に「行動面の変化」では、落ち着きがなくなったり、いつもよりよくしゃべるようになったり、衝動的に手が出てしまったり、いつもとは違う行動をするようになります。

「身体の症状」は頭痛や腹痛のほか、じんましんや眠れない症状などが現れます。

コロナ禍メンタル_2

子どもが幼く、発達がまだ進んでいない場合は、行動面の変化や身体の症状として現れることが多いです。一方で、中学生ぐらいになると、イライラなどの気分や激しい行動上の変化として、現れることが多い傾向にあります。

こうした症状は、自分を守るための「心の防衛機能」として現れるものです。まずは自分がストレスと闘っている状況なんだ、と自覚することが大切です。

保護者は、これらのサインに気付いたら放っておかず、気にかけることです。「あなたのことを心配しているよ」と見守れば、子どももつらさを吐き出しやすくなるでしょう。

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