鉄ちゃんの育て方

時刻表「妄想旅」もおすすめ! 「電車が好きな子はかしこくなる」著者に聞く鉄ちゃんの伸ばし方

2021.08.18

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葉山 梢
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おもちゃは無制限に与えないで

――今は新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、旅行に行くのも難しいですね。

想像でもいいんです。鉄道の経路や時間はインターネットですぐに調べることができますが、それでは地理感覚は育ちません。鉄道好きの人は時刻表や路線図を見て、「乗りつぶすにはどうしたらいいか」「もし新幹線が使えなかったらどのルートで行くか」などとよく想像しています。多様な状況を自分で設定し、様々なシチュエーションを頭の中で組み立てることは、思考力・判断力を働かせる大事な練習になります。地図を見て「この駅が近い」などと自分だけの発見をする経験を積み重ねれば、予想外のことが起きても何とかなるという自信にもつながります。

2011年の東日本大震災以降、毎年のように大きな災害が起きています。自分たちの生活が一気に壊れるようなことが起きても「何とでもなる」という力強さが必要な時代だと思います。そのベースになるのは、子どもたちが本来もっている生きる力。非常時にこそ発揮してほしい力は「遊びを生み出す力」です。

なのに、どう遊んでいいか分からなくなっている子どもが増えているように感じます。早くから保護者が買ってきたおもちゃを与え、お金を払って遊ぶテーマパークのようなところに連れて行くからでしょう。テーマパークや最近のコンピューターゲームは確実に多くの人が楽しめるよう作られていますが、各自が主体的に自由に遊んでいるというよりは、計算され、絶妙にすべてが与えられている世界で「遊ばされている」という気がしています。

遊びを生み出す力を身につけるためには、常日頃から子どもに無制限に物を与えることはしない方がいいと思います。プラレールなど鉄道のおもちゃは面白いですが、すべてそろったセットで遊ぶのはもったいない。すべてが与えられた状態では子どもはすぐに飽きてしまい、好奇心が育ちません。足りないものをすぐに買うのではなく、どう工夫するか。試行錯誤をしながら、楽しさ、面白さを発見していくことが、遊びであり学びにつながるものなのではないでしょうか。

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