海外大進学という選択

どんな試験で、どんな準備が必要? 海外大進学の基本の「き」 Route Hの尾澤章浩さんに聞く

2021.08.27

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山下 知子
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七つの審査項目、いったいどんなもの?

――米国の大学入試について教えてください。日本の総合型選抜に近いとも聞きます。

何をしたいのか、何が得意なのかといった自己分析や自己理解から始まり、大学で何を学びたいのか、将来は何をしたいのかを徹底的に問われます。受験のプロセスそのものが、大学でのタフな学びに耐えられるように設計されているといえますね。そういう意味では、日本の総合型選抜に近いといっていいかもしれません。

選考にあたっては、多様性を非常に重視します。例えばハーバード大は、合格者の4分の1は学業的に秀でている生徒、4分の1はスポーツや音楽で突出している生徒を採ります。残り半分は、学業、スポーツ、課外活動などでバランスの良い生徒を採っています。地域性や家庭の経済力なども考慮されます。

海外大進学という選択

審査項目は七つあります。

一つ目は高校の成績で、難関大であればあるほど重視されます。難関大は、入学後のカリキュラムがハードなので、高校で好成績を取れていないと、入学後、授業についていくのが厳しくなるからです。

二つ目がTOEFLです。120点満点で難関大は最低100点が必要です。州立大で80点、コミカレでは60点ほしいですね。英語は高校から対策をとっても十分に間に合います。帰国生が有利だと思われるかもしれませんが、米国の大学はしゃくし定規で受験生を見ません。帰国生で100点ちょっとでは疑問符がつき、110点以上は取らないと難関大は厳しいでしょう。

三つ目はSATやACTといった学力テストです。日本では多くがSATを受験しています。英語800点、数学800点の1600満点で、難関大を目指すのであれば1500点以上はほしいところです。日本の学校に通っている生徒であれば、数学は易しく感じるはずです。一番難しくても大学入学共通テストレベル。逆に英語はTOEFLよりも難しい。共通テストの国語を英語で、というイメージを持ってもらえればいいと思います。

SATは年5回あり、高2で受けることも、3、4回受けることもできます。一番良いスコアを出すか、全て出して良いスコアで評価されるかは大学によって異なります。

ACTは英語、数学、理科の3教科で36点満点。理科は、知識よりも、初見の問題を見せてその対応力を見ます。見たこともない実験が出てきて問題数も多いのが特徴です。

四つ目が課外活動歴五つ目が大会受賞歴です。中3からのものが出せますので、中3から、遅くとも高1から入試を念頭に置いて集めていく必要があります。課外活動は、生徒会、部活、ボランティア、サマースクールへの参加、なんでも書けます。ただ「生徒会長をやった」ではだめです。世界でみれば、生徒会長は何万人もいます。過去にハーバード大に合格したある生徒は、文化祭実行委員長をし、3千人程度だった入場者数を1万人近くまで増やした点を書きました。「そこで何をしたか」が大事なのです。

大会受賞歴は、国際大会や全国大会出場の方が評価は高くなりますが、校内大会でも書けます。校内の弁論大会で賞を取れば書いていいのです。ただ、芸術を含むアカデミックな分野が対象で、スポーツ大会出場は課外活動歴となり、結果は補足欄に書きます。

海外大進学という選択

六つ目がエッセーです。

事前に「お題」が出て、何カ月かの間に書きあげます。大学共通願書のエッセーとともに独自のエッセーを課す大学が多いですね。多い大学では七つものエッセーを課すところもあります。「あなたを音楽に例えてください」「暇な時間があったら何をしますか」といった「お題」で、想像力を見ようとするものもあります。

共通願書のエッセーは650語以下で書かなくてはなりません。志望動機はロジカルにコンパクトに、そして自分のひととなりも書いていく必要があります。エッセーの肝は「show」と「don’t tell」。例えば、自分のリーダーシップを示したい場合、「私にはリーダーシップがある」ではなく、エピソードを重ねて、「この子にはリーダーシップがあるな」と思わせるように見せていくことです。

書き上げる上で必須なのは自己理解。自分はどんなことが好きで、何が得意で、その大学で何を学びたくて、将来どうしたいのかを何度も自分自身に問うておく必要があります。当然、大学にどんな授業があるのか調べておかなくては書けません。

七つ目が面接です。が、これは受けなくても評価に影響しません。その受験生のことを知りたいという大学の「思い」であり、自分の良い点をもっとアピールしたい受験生は面接を受けた方が良いでしょう。

基本的にはその地域に暮らす卒業生が面接しますので、東京の生徒であれば、東京にいる卒業生が英語で行います。コロナ禍でほとんどがオンラインで行われています。1~2時間が普通ですが、短いと30分、長いと5時間にわたることもあります。

このほか、学校が行ったり用意したりするものとして、オンライン評価入力や推薦状、成績証明書や学校紹介(スクールプロファイル)の提出があります。評価入力は、好奇心やリーダーシップなどの項目があって、7段階で評価して入力します。

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