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8割が「嫌い」、注射と上手につきあう 痛みを抑えるには? ワクチンの原理は?

2021.09.02

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夏野 かおる
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国内でのコロナワクチンの対象年齢は、現在満12歳以上となっており、子どものワクチン接種に対して保護者間でも関心が高まっています。ただ、「うちの子どうしても注射が苦手で」という方もいるのでは。「注射が苦手」は珍しいことでなく、アイシェアの調査によると、成人でも8割を超える人が「嫌い」と回答しているそう。インフルエンザなどの予防接種でも必要となる注射と上手に付き合う方法について専門家に聞きました。

痛みを抑えるには「つねる」「冷たいものを当てる」

——たとえば表面麻酔などで、注射の痛みを軽減することはできますか。

一部の小児科では、パッチタイプの局所麻酔(エムラパッチ)を実費で購入できます。接種の1時間前に貼り付けておくだけで麻酔効果が得られるので、痛みへの恐怖感を軽減できます。

実際に私の病院では、それまで3、4人がかりでなだめながら接種していたところを、エムラパッチを使うことで、鼻歌まじりに受けてくれるようになったケースも。実費といっても大きな金額ではありませんので、どうしても痛がりなお子さんであれば、検討されるとよいでしょう。

ただし、パッチはあくまでも表面的な麻酔ですから、コロナワクチンのような筋肉注射への効果は限定的です。

——これまでのお話をふまえると、注射の痛みは、基本的には「耐える」ほかなさそうです。せめて気を紛らわせることができればと思うのですが、何か有効な手立てはありますか。

子どもの場合、「興味を引くような話をして、注意が逸れている間に打ってしまう」などの工夫をしている小児科医が多いようです。

個人的なおすすめは、「不意につねる」方法。加減は必要ですが、爪を立てたり、つねったりしてあらかじめ痛みを与えておくと、注射の痛みが相対的に軽くなります。また、「不意に」というのもポイントで、子どもが「痛い!」とびっくりしている間に、サッと接種を終わらせてしまうわけです。

あとは、これと似た工夫として、「冷たいジュースの缶を当てる」があります。冷たいものを当てて感覚を鈍らせておくことで、注射の痛みが和らぎます。大人でも使える方法ですので、ぜひ取り入れてみてください。

——どうしても気分が悪くなったり、倒れてしまったりした(いわゆる迷走神経反射が起こった)場合はどうすればよいでしょうか。

迷走神経反射は比較的女性に起こりやすいものの、怖がりの方であれば、男性でも起こり得ます。だいたいの場合は、10分程度横になっていれば回復しますので、無理をせずゆっくりと休むようにしましょう。

怖いからといって力んでしまうと、余計に痛みを感じやすくなります。その結果、「注射は痛い」という考えが強化され、さらに注射が怖くなるのです。怖い気持ちはわかりますが、緊張を解き、だらっと腕を垂らしているほうが痛みは少なくなりますので、リラックスを心がけてみてください。

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