コロナ禍2年目の大学入試

代ゼミ・佐藤雄太郎氏「ジンクス通りなら、2年目の共通テストは難しくなる」

2021.08.30

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中村 正史
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2022年度大学入試は、9月1日から出願が始まる総合型選抜(旧AO入試)からスタートします。ここに来て新型コロナウイルスの第5波が広がっていますが、大学入試をめぐる状況は昨年と違うのでしょうか。2回目となる大学入学共通テストや学部系統別、個別大学の動きは変わるのでしょうか。現段階での見通しを代々木ゼミナールの佐藤雄太郎・教育事業推進本部長に聞きました。(写真は、初めての共通テストを前に、間隔を空けながら並び、ノートなどに目を通す受験生=1月16日)

佐藤雄太郎

話を聞いた人

佐藤雄太郎さん

代々木ゼミナール教育事業推進本部長

(さとう・ゆうたろう)2008年代々木ゼミナールに入職。10年から教育総合研究所に勤務し、15年から同研究所所長。19年11月から現職。全国の高校で講演多数。

入試状況の変化に二つの側面

1年前と比べると、大学入試をめぐる状況の変化には二つの側面があります。

一つは、新型コロナウイルスへの対応です。現在は第5波の感染が拡大していますが、1年前と比べると、対応には雲泥の差があります。昨年は入試ができるかどうかわからない状況でした。オープンキャンパスは中止になり、大学の情報が受験生に入ってきませんでした。今年は大学、受験生、高校も、コロナへの対応に慣れ、社会的な免疫がついています。オープンキャンパスを実施した大学もあるし、オープンキャンパスができなくても、オンラインを使ったバーチャルツアーを行うなど、来校しなくても受験生を取り込める仕組みをつくっています。昨年とは違って、模試も学校や会場で実施できています。

代ゼミは大学の地方試験や共通テストのため、例年であれば約150大学に会場を提供していましたが、昨年はコロナの影響でほぼゼロでした。昨年は何事も、できるか、できないかのどちらかだったのが、感染対策を取れば対応できるようになっているため、昨年のようなシリアスな状況ではありません。

二つ目は、今年初めて導入された共通テストの平均点が思ったより高かったことです。来年もこれまでの大学入試センター試験とあまり変わらないのではないかという受け止め方が受験生や高校にあります。今春の入試では、私立大学の志願者が前年比で17%減り、戦後の入試で最大の減少になりました。共通テストの結果と合わせて、受験が易しくなったのではという風潮が蔓延しています。

受験校数も平均で1、2校にとどまり、決め打ちした大学しか受けていません。これは特に西日本に顕著です。感染を恐れて移動を避けたことや、コロナ禍で家計が苦しくなった影響と思われます。

同様の傾向は、共通テストにも表れています。共通テストの志願者は約53万5000人でしたが、実際には約5万人が欠席し、受験率は90%にとどまりました。例年の欠席者は約3万人なので、大きく増えています。センター試験や共通テストでは、高校が生徒に一斉受験させるところも多いのですが、上記のような理由で一斉受験を控えた学校もあります。

地方から東京に行くことを避ける傾向は今年も変わっていません。地元志向、資格志向は22年度入試でも続きそうです。

首都圏の私立大学の志願者が減った一因として、入学してもオンライン授業なら地方から首都圏の大学に行く意味がないといわれましたが、今年は入学式も対面で行われ、対面授業を一部再開したり、サークル活動を再開したりしている大学もあり、昨年に比べると状況は変わりつつあります。

2021年度入試では、国の入試改革を遵守して入試をガラッと変えた大学は、志願者を大きく減らしました。これは西日本の国公立大学に多く、総合型選抜に学科試験を入れたり、一般選抜を減らして総合型選抜で取ろうとしたりして志願者が半減した大学もあります。

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