コロナ禍2年目の学び

神奈川の進学校・聖光学院でワクチン集団接種 校長「10代の経験たくさん重ねて」

2021.08.26

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山下 知子
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夏休みが終わりを迎え、子どもへの新型コロナウイルス感染が心配されています。東大合格者ランキングで神奈川トップの進学校、聖光学院中学高校(横浜市中区)では、希望する生徒を対象にワクチンの集団接種を始めました。工藤誠一校長は「体育祭など、秋はいろいろな行事が控えている。生徒にとっては一生に一度の行事も多い。ワクチン接種を進めることで、10代だからこその経験をできる限りたくさん重ねてもらいたい」と話します。(写真は、学校の食堂を会場に、ワクチン接種を受ける高校生=2021年8月25日、横浜市中区の聖光学院中学高校)

9月中に希望者全員に2回接種

8月25日午後、聖光学院中学高校の食堂前には長い列ができていました。ワクチン接種を希望する高校2年生と横浜市外から通う1年生の計約200人。予診票と接種券などを入れた水色の封筒を手に接種を待ちました。

ワクチンを打つのは校医ら。「腕は、だらんとさせてね」「緊張する? そうだよね」などと声をかけます。接種前、「緊張する」と話していた2年の尾里篤季さん(17)は「学校行事などを考えて(日程を)調整してくれているので、学校で打てるのはうれしい」。別の2年の生徒は「自治体の予約はいつ取れるか分からないし、みんなと一緒の方が安心」と話しました。

 

聖光学院でワクチン集団接種

同校では職域接種の枠で2千人分のワクチンを確保。中高の生徒計1350人のうち8割以上が接種を希望し、8月11日に大学受験を控える高校3年生の希望者計160人に接種を終えています。これから中学生への接種も始め、9月中に希望者全員が2回目の接種を終える予定です。ワクチンを無駄にしないため、生徒本人が体調不良などで受けられなくなった場合は生徒の家族が打てるようにしたといい、25日も生徒の姉妹らが接種に訪れていました。

工藤校長は「遠方から公共交通機関で通う生徒が多いのも集団接種を進めた理由の一つ」と話します。また、通常の対面授業を行うことも理由にあるといいます。「一日中オンラインでの授業は無理がある。大人だって朝から夕までのオンライン会議はきついはず。中高生は苦手な科目の授業もあり、オンライン授業がすべてを解決してくれるとは全く思っていません」

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