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子どもの摂食障害なぜ起きる プラスサイズモデル吉野さんと医師に聞く、体験と予防策

2021.09.21

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有馬 ゆえ
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コロナ禍で子どもの摂食障害が増えています。日本摂食障害協会の調査によれば、その発症率は従来の約2倍。子どもが摂食障害を発症してしまう理由は? また、その予防策とは? 幼少期から体型に悩み、摂食障害の経験を持つモデルの吉野なおさんと、内科医として摂食障害の治療に当たってきた日本摂食障害協会理事の鈴木真理さんに聞きました。

好きな男性の「痩せてほしい」がきっかけで摂食障害に

日本初のプラスサイズ女性向けファッション誌「la farfa(ラファーファ)」などで、モデルとして活躍中の吉野なおさん。今は自分の体を愛していると話す吉野さんですが、小さい頃から自身の体型に悩み、「痩せたい」と願ってきました。

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モデルとして活躍する吉野さん(吉野なおさん提供)

「保育園のときに男の子から『デブ』と言われて、初めて体型を気にするようになりました。小学校入学後は、体型いじりのほか、公園で知らない女の子たちに笑われて傷つくこともありました」

女性教員から「このままだと苦労するからダイエットしておきなさい」と厳しく言われたり、保健体育の授業で生理について学んだ後、男子から「太ってると生理が早く来るんだろ?」とからかわれたりも。だんだんと、自分は異質な存在だという感覚を身につけていきました。

「親や友達は『成長期でこれから背も伸びるし大丈夫』『そのままのキャラクターでいいんだよ』と言ってくれました。でも私は『自分が悪い』と思いこんでいて、肯定できなかった。攻撃の声ばかりを気にして、毎日痩せたいと考えていました」

思春期になると、スリムな女子、身長の低い女子が「かわいい」と評価されるように。流行していたダイエット番組の影響もあり、「やっぱり太っているのはダメなんだ」という思いを強めていきます。そんな吉野さんが摂食障害を発症したのは、高校時代、好きな男性に「痩せてほしい」と言われたことがきっかけでした。

「初めは、お菓子をやめるぐらいの適度なダイエットでした。ただ、痩せた喜びや周囲からの褒め言葉で、『痩せたらもっと褒めてもらえるかも』と、だんだんと食事を極端に減らすダイエットに走ってしまって……。結果、30kg体重が落ちましたが、19歳のときには反動で過食症を発症。今度は1カ月に10kg増えることもありました」

あまりの負担に、心身共に調子を崩した吉野さん。体調に影響が出るだけでなく、気分が落ち込む、人と会いたくなくなる、仕事を続けるのがつらくなるなど、社会生活にも支障が出ていました。

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