STEAM教育

ゲームプラットフォーム「Roblox」、将来は教材にも? 急成長の「ゲーム版YouTube」

2021.09.15

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夏野 かおる
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2020年7月には月間アクティブユーザーが1億5000万人を突破した、オンラインゲームプラットフォーム「Roblox(ロブロックス)」。「ゲーム版YouTube」と呼ばれるとおり、カジュアルなゲームを気軽に遊べ、自らがクリエイターになるハードルも比較的低いことから、アメリカの子どもたちを中心に爆発的な成長を遂げています。そんなRobloxは、ビジュアルプログラミングの「次」となるプログラミング教材としても注目株。いち早くコースに取り入れているオンラインプログラミングスクール「D-SCHOOL(ディースクール)」に詳しく教えていただきました。(写真は、Robloxを使った授業の様子=エデュケーショナル・デザイン株式会社提供)

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話を聞いた人

脇田真太郎さん

エデュケーショナル・デザイン株式会社 代表

(わきた・しんたろう)青山学院大学卒。同大在学中に英国国立リーズ大学ビジネススクール(LUBS)に留学。スタートアップ企業でのフルタイムインターンを経験し、卒業後は外資系広告会社(WPPグループ)でグローバルクライアントのマーケティング戦略やプロモーション展開を担当。2013年にエデュケーショナル・デザイン株式会社を設立。

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話を聞いた人

今澄亮太さん

エデュケーショナル・デザイン株式会社 エンジニア 兼 Robloxコースカリキュラム開発者

(いまずみ・りょうた)筑波⼤学⼤学院システム情報⼯学研究科知能機能システム専攻卒業。在学中はVRゲームを開発。卒業後は株式会社カプコンに就職し、ゲームエンジン開発に携わるとともに、⼈材育成も担当。 現在はゲーム制作やプログラミングの知⾒を⽣かした教育コンテンツの制作も⾏う。

ザッピング感覚で楽しめ、SNS的な利用も Z世代の行動にマッチ?

——まずは、Roblox(ロブロックス)とはどのようなものか、分かりやすく教えていただけますか。

今澄:RobloxはPC、スマートフォン、XboxOneでプレイできるオンラインゲーミングプラットフォームです。アメリカを中心に世界各国で楽しまれており、ユーザーの多くは13歳以下が占めます。プレイヤー同士でコミュニケーションが取れるSNS的な機能も併せ持っていますので、低年齢の子ども同士でのコミュニケーション様式にマッチしていたのでしょう。実際に、テクニックに優れたプレイヤーを観戦しながら盛り上がるような使われ方もあります。こういった実態から、Robloxは、近い未来に訪れるとされる「メタバース(仮想空間)」を牽引する存在としても注目されています。

脇田:Robloxの特長は、大きく分けて2つあります。1つ目は、とにかく気軽にゲームがプレイできること。一般に、スマートフォンでゲームをするには、アプリストア(Google Play/App Storeなど)からゲームをダウンロードする必要がありますよね。一方でRobloxは、専用のプラットフォーム上で動くため、ゲーム自体をインストールすることなく、次々とプレイできます。いわば、YouTubeで短い動画をザッピングする感覚に似ており、これもまたデジタルネイティブ世代の行動にフィットしています。

2つ目は、「Roblox Studio(ロブロックススタジオ)」という公式ツールを通して、誰もがゲームクリエイターになれること。Robloxのゲームは、必ずしもすべてが高クオリティで、複雑なシステムを備えたものではありません。多くのゲームはとてもシンプルで、「これなら自分でも作れそう」と思わせるくらいのレベルです。

だからこそ、子どもにとって魅力的になりうる。YouTuberの黎明期がそうだったように、「これならできる」レベル感と、プレイヤーからのリアクションが返ってきやすい環境が、ゲーム制作への意欲をかき立て、プログラミングを“近未来的で、クールなスキル”にしてくれるのです。

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ブロックを飛び移り、タワーを登っていくゲーム。奥には他のプレイヤーも見える。中には、子ども同士で「放課後、Robloxで待ち合わせて遊ぼう」と約束する子もいるのだとか

——Robloxユーザーの多くが13歳以下とのことですが、プレイヤーでなく、クリエイターとしても子どもの利用者が多いのでしょうか?

今澄:クリエイター側に関しては、統計情報が公開されていません。そのため、どうしても印象論になるのですが、大学生くらいのクリエイターが多いのかな、という感覚です。

ただ、キッズのクリエイターもいないわけではなく、私たち講師がYouTubeで情報収集していると、海外のお子さんが、自ら技術の解説をしている動画を見つけたケースもありました。また、私たちのスクールにも中高生の生徒が多数在籍しており、時代が進めば、クリエイター層も低年齢化していく可能性はあります。

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