コロナ時代の塾活用法

「オンライン塾」メリットは? 課題は? ツールや機能を活用、対面に近い授業に

2021.09.28

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小林 香織
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オンラインによる効率化で、授業全体の質が向上

田中さんによれば、オンライン塾を開始したことにより、生徒や保護者だけでなく、教師側・運営側にも多くのメリットが生まれているといいます。

「対面の場合、どうしても移動距離の問題で、教師が担当できる生徒の範囲が限られていました。しかし、オンラインにより距離が関係なくなったことで、これまで以上に相性の良い教師をマッチングできるように。さらに、良い教師の稼働率が上がることで全体的に授業の質が上がり、志望校の合格にもつながっている印象です」(田中さん)

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「オンライン教育の浸透は、教育全体の質を高める可能性がある」と田中さん

一方で、隣にいる感覚がないことから集中力が維持しづらいという課題も。

「集中力の維持には、安心感と緊張感のバランスが重要ですが、オンラインだとどうしても安心感によりがちになります。特に勉強が苦手な子どもは、集中力が欠ける傾向が強い。例えば、VRやホログラムのようなテクノロジーを使って、オンラインでも隣にいるようなリアル感を出せたらと思いますが、それが浸透するには、5Gなどインフラ整備の課題があるようです」(田中さん)

加えて、対面からオンライン塾に切り替えるハードルの高さも課題といえそうです。現状では、オンライン授業の効果への信頼感が薄く、「対面のほうが効果が高い」と考える保護者が大半とのこと。「このようなバイアスをなくすには、できる限り受講のハードルを下げていく必要がある」と田中さんは指摘しました。

一足飛びに当たり前の選択肢にはなりませんが、オンライン塾は確実にメリットを生んでおり、四谷進学会では今後も取り組みを継続するそうです。

「私自身、BBT大学に進学し、オンライン授業で学んでいるのですが、電車のなかでも勉強できるなど非常に効率の良さを感じています。また、対面だと講義ができない優秀な講師でも、オンラインであれば忙しい合間を縫って講義ができますし、教室のキャパシティも関係ありません。高品質の授業を1万人、10万人にも届けられます。私が思い描いているのは、まさにこういった世界観。ただ、必ずしも誰もが1人で勉強できるとは限りませんので、必要に応じて1対1のサポートを提供できれば、効率的で満足度の高い教育が提供できると考えています」

(写真提供:四谷進学会、編集:野阪拓海/ノオト)

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