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柔道日本代表・永瀬貴規さん 長崎日大高校 五輪金メダルの原点は高校時代の土壇場の大逆転

2021.09.16

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橋爪 玲子
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高校時代は柔道人生で大きな意味を持ったそうですね。

高校3年間は、僕の柔道人生のなかで大きなターニングポイントとなりました。厳しい稽古だったのですが、仲間と切磋琢磨しながらの日々はとても充実していました。監督の指導方針は、練習は「量」より「質」。毎日、稽古でうまくいったこと、ダメだったこと、明日はどうしていくかなど、自分が思ったことをノートに書き、監督に提出していました。そのなかで、自分の目標を設定し、それを実現するために自分がどうしていくべきかという考え方を学ぶことができました。

高校1年生のときの全国高等学校柔道選手権は、とても思い出深い試合です。個人戦で決勝まで進み、勝てば初めて日本一となる試合でした。途中まで僕は負けていたので、早く技をかけたいのに残り4秒のところで審判から「待て」がかかりました。絶体絶命で、ほぼ勝つことは無理だなと思っていたのですが、「最後は技をかけて終わりたい!」と思って出した技が再開直後にかかり、逆転勝ちすることができました。そこであきらめないことの大切さを学ぶことができたのも大きな収穫でした。

高校時代は国内外の試合や遠征も増え、母がいつも同行してくれたのはありがたかったです。僕が負ければ僕以上に悔しがり、勝ったときは僕と同じように喜んでくれる。母が一番、柔道が好きなんじゃないのかな(笑)。今も変わりませんが、母のためにも勝って喜ばせたいという思いも、力になっています。

東京五輪で金メダルに輝いた永瀬選手 写真/張 溢文(朝日新聞出版写真部)
東京五輪で金メダルに輝いた永瀬選手

東京五輪では「日本代表」として戦いましたね。

日本代表で国を背負うとなると、プレッシャーも大きくなっていきます。それをはね返す精神力がとても大事になるのですが、それには自分を信じきれるかが重要となってきます。自分を信じるためには普段の稽古やトレーニングがあってこそです。東京五輪は、誰もが一番目標にしていた、勝ちたい大会でした。金メダルが決まったときは、本当に報われた瞬間でもありました。これからも柔道家として競技力を高めるだけではなく、人としてもお手本になれるような大人になりたいと感じています。

写真/張 溢文(朝日新聞出版写真部)
写真/張 溢文(朝日新聞出版写真部)

長崎日本大学高等学校

日本大学の付属高校。生徒それぞれの将来の進路にあわせて四つのコース・科がある。ICT教育に力を入れ、ノートパソコンを1人1台配布。eラーニングを使った授業や、楽しくわかりやすい動画配信などを積極的に取り入れている。

【所在地】長崎県諫早市貝津町1555

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