「探究」で高大接続

「探究の学び」経験者たちの大学生活【前編】 私立高→東京理科大・京都大

2021.09.13

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中村 正史
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日本の大学生の勉強時間が海外に比べて極めて少ないことはよく知られています。しかし、ベネッセ教育総合研究所の調査によれば、高校時代に自分の興味・関心事に主体的に取り組んだ生徒は大学での学習時間が長い傾向があります。主体的な学びという点で注目されているのが、2022年度からの高校の新学習指導要領でキーワードになっている「探究」です。高校時代に探究の学びを体験した人たちは大学でどのような生活を送っているのか、高校での学びが大学での学びにつながっているのかを追いました。(写真は、三田国際学園の高2の「リベラルアーツ」で修学旅行の内容をグループに分かれて議論する生徒と教諭)

教授に時間をつくってもらい聞きに行く 三田国際→東京理科大

山本花香

話を聞いた人

山本花香さん

東京理科大理学部第一部化学科1年

(やまもと・はなか)東京都世田谷区の私立中高一貫校、三田国際学園高校卒。18歳。

中学の頃は理系に全く興味がありませんでしたが、授業で衝撃を受け、高校になって理科に興味を持つようになりました。

中学の数学の授業で、最初に公式を渡されて、どうして成り立つのか証明しなさいと言われ、ゴールから逆算させる思考の回転が斬新でした。長い紙切れ2枚がくっついた器具を渡されて、イラストの大きさを2倍にする方法を自分で考える授業もありました。

高1の化学の最初の授業で、身の回りには化学が根付いていることを教わりました。理系コースの友達と仲がよかったので、一緒にサイエンスラボ(実験室)に行って話を聞き、研究の中の化学と日常の中の化学が結びついていることを知りました。

授業はグループワークが多かったです。他の人の意見を理解する過程が大事であることを知りました。他の人の話をよく聞き、意見を否定するのではなく、一部でも肯定して、自分の意見をどう深めていくか。それによって成長できたと思います。

化学を好きになり、将来は教師になりたい、化学の楽しさや広さを伝えたいと思うようになりました。そのために理科を広く学べる理学部に進みたい、化学を一番学べて教職課程に力を入れている大学に進みたいと思い、東京理科大学の総合型選抜(公募制)に応募しました。

志望理由書には、ポートフォリオ(学習成果や自己評価の記録)を毎日書いていたことや、高2の文化祭で化学カフェを開き、色の変化を楽しむ飲み物を出したことなどを書きました。面接、小論文、実験操作があり、合格しました。

高校と大学の教育は随分、違います。高校は双方向ですが、大学は受講する学生も多く、一方通行になりがちです。もっと知りたいことや疑問があっても、解消できません。自分から疑問を聞きに行かなければいけないと思い、教授に時間をつくってもらって聞きに行くようにしました。自分の疑問を大切にすれば、いい学習ができると思っています。

私は中学・高校時代の授業で、すごく変わりました。グループディスカッションが多かったので、自分の意見を言えるようになり、他の人の意見を吸収できるようになりました。発表の機会も多かったため、人前でも臆せずに自分の意見を話せる力がつきました。また学問と身近なことを切り離さなくなり、関係ない二つのことに共通点があると自分で考える癖がつきました。

平日は家に帰って勉強しています。休日はずっと勉強していますね。大学の授業で習った内容でもっと知りたいと思ったことを調べたりします。大学には勉強するために入ったので、勉強時間は高校時代より多いかもしれません。大学院に進んで、教員になろうと思っています。退職したら理科の知識を生かしたカフェを開きたいです。

※三田国際学園高校の取り組みはこちら

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