コロナ禍2年目の学び

「遺伝子組み換え」「不妊の原因」…ワクチンのデマ情報への対応迫られる大学

2021.09.10

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中村 正史
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大学の中には教職員や学生を対象に、職域接種を進めているところがあります。ただ、直面している課題は、接種を受ける学生が大学側の想定ほどには広がっていないことです。原因の一つと見られているのが、ネットで飛び交うさまざまな情報です。科学的に明らかに誤っているデマ情報も多く、こうした疑問や不安に答える説明会を開く大学も出てきました。(写真は、キャンパス内で学生にワクチン接種を行う昭和女子大学=同大学提供)

近畿大も6割止まり、動画で接種呼びかけ

国内の大学ではいち早く6月21日から、キャンパス内でワクチンの職域接種を行った近畿大学は、2回目の接種が8月6日で終了し、学生や教職員など約2万3500人が2回の接種を受けた。

対象になったのは、本部のある東大阪キャンパスと、農学部のある奈良キャンパスの学生らで、最大で1日2000人に接種した。対象学生に占める接種率は59.8%。学部別に見ると、薬学部68.7%、国際学部66.7%、建築学部63.4%などが高く、文系学部がやや低い「理高文低」の傾向があった。理系が多い大学院も68.2%と高かった。国際学部が高いのは、ワクチン接種を前提に9月中旬からアメリカへの海外留学を再開するためとみられる。

広報室の担当者は「接種を受ける学生はもう少し多いと想定していたが、接種しない選択をした学生が思ったより多かった。学生に聞くと、『副反応が怖い』『アレルギーがあるので怖い』『家族で話したら、親からやめておけと言われた』『様子見』などの声があった」と話す。

7月初めに開かれたメディア向けの大学説明会で、近畿大学病院の東田有智(とうだ・ゆうぢ)病院長は「いろんな情報が出回っているが、厚生労働省や学会のホームページの情報を信じてほしい」と話した。

近畿大学では、大学ホームページに細井美彦学長が協力を呼びかけるメッセージや、接種を受けた学生が「打つ前は副反応が怖くてビビっていたけど、大丈夫だった」「不安もあったが、受けてみてよかった」「早く友達に会いたい」などと語る動画を流している。ワクチン接種は強制ではないことも明記している。

近畿大学のワクチン接種の様子=同大学提供
近畿大学のワクチン接種の様子=同大学提供

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