どうなる中学・高校入試
神奈川県私立中入試、コロナ対応で「共通追試」実施へ 2022年度 東京は予定なし
2021.09.17

神奈川県私立中学高等学校協会は2022年度の中学入試で、新型コロナウイルスに罹患(りかん)したり濃厚接触者となったりした受験生を対象に「共通追試」を実施することを決めました。
(写真は、検温するために設置されたサーモグラフィーでチェックを受ける受験生たち=2021年1月10日、さいたま市、藤原伸雄撮影)
約20校が利用予定
2021年度の中学入試の新型コロナウイルス対応は、東京では各校に任され、開成、共立女子、城北、世田谷学園などが、感染したり濃厚接触者となったりした受験生を対象に追試を設定した。関西では甲陽、四天王寺、西大和学園、洛星などが設けた。
神奈川県私立中学高等学校協会は昨年11月、「入試実施に向けてのガイドライン」を決め、同県内の私立中学は原則的に追試を行わないことになった。同協会の工藤誠一会長(聖光学院中学高校長)は「当時は感染状況がどうなるのか見通しがつかなかった。一部で、独自の追試を設定した学校もあった」と話す。
入試問題を追加で作成することは学校にとって大きな負担になる。日程がばらばらだと、学校側も受験生も調整が大変だ。「学校の負担にならず、受験生が安心して受けられれば」と、2022年度入試では、同協会が試験問題を作って「共通追試」を実施し、県内の希望する私立中学に利用してもらうことにした。合否は、各校が問題と受験生の答案を見て個々に判断する。
今のところ、工藤会長が校長を務める聖光学院を含む県内の20校ほどが参加予定。神奈川大学付属、鎌倉学園、清泉女学院などが2022年度の募集要項で、参加を既に発表している。
共通追試は2022年2月21日(月)午前9時から、横浜市神奈川区の神奈川県私学会館で。国語、算数、社会、理科の4科目で、追加の受験料は無料。対象は、共通追試参加校の受験手続きをしていたが、試験日に新型コロナウイルスに感染したか、濃厚接触者となった受験生で診断書などが必要となる。
一方、東京私立中学高等学校協会の近藤彰郎会長(八雲学園中学高校長)は「東京では今年度と同様、共通の追試は考えていない」と話す。定員が満たない場合の追加募集と同様に、各校の判断で対応するという。