「探究」で高大接続

SSH卒業生が現役進学した大学 トップの立命館は「付属校効果」

2021.09.24

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EduA編集部
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高校で先進的な理数教育を行い、大学との「高大接続」も模索する文部科学省のスーパーサイエンスハイスクール(SSH)の制度が発足して、今年度でちょうど20年目。指定校には重点的に予算を配分し、理系の探究学習を後押ししてきました。こうしたSSHを今年卒業した高校生は、どんな大学に現役進学したのでしょうか。大学通信のデータから探りました。

10校中7校は名古屋以西

2021年春、SSHを卒業した高校生がどんな大学に進んだのかを、大学通信が「現役進学者調査」から集計した。調査は難関大学に合格実績のある高校を対象にしており、このうち今年の卒業生が入学した18年度にSSHに指定されていた186校の5万2133人の現役進学先を抽出してランキングした。調査対象の大学は、難関10国立大(北海道、東北、東京、名古屋、京都、大阪、九州、東京工業、一橋、神戸)、早慶上理(早稲田、慶應義塾、上智、東京理科)、MARCH(明治、青山学院、立教、中央、法政)、関関同立(関西、関西学院、同志社、立命館)の計23校。一般選抜(一般入試)だけでなく、総合型選抜(AO入試)、学校推薦型選抜(推薦入試)で合格した進学者や、付属・系属校からの内部進学者も含まれている。

上位10大学には、グラフのように、立命館大を筆頭に関西の大学が名を連ねた。東京の大学は早稲田大、中央大、明治大のみで、東大はランク外の11位。名古屋大も含めれば10校中7校が西日本という「西高東低」だ。

大学通信の安田賢治常務は言う。「首都圏に比べ就職で不利といわれる関西の高校では、理系志向がますます強まっており、そうした傾向を反映した結果といえるのではないでしょうか。難関10国立大の現役進学者が多い高校を見ると、愛知の岡崎や刈谷や明和、大阪の天王寺など、公立のトップ・準トップ校が上位に出てきます。自治体の教育委員会がリードして、SSH指定を推し進めているようにみえます」

こうしたなかで現役進学者数が1358人と突出して多かった大学が、立命館大。出身高校の内訳をみると、立命館守山(滋賀)、立命館(京都)、立命館慶祥(北海道)の付属校3校からの進学者が計647人と半数近くを占めている。「立命館守山は旧市立守山女子高、立命館慶祥は旧札幌経済高と、いずれも立命館の傘下に入って大きく変わった高校です。立命館大は、以前からあった理工学部に加え、情報理工学部、生命科学部、薬学部を2000年代に新設して、理工系を充実させてきた。付属校もSSHの指定を受けることで『理工系に強い』という印象を強めています」(安田常務)

ランキング3位の中央大も、SSHからの現役進学者数746人中341人を付属校の中央大附(東京)が占めている。ただし、同校のホームページによると理工学部への進学者は28人にすぎず、法学部など文系学部への進学者のほうがはるかに多い。

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