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東大生にアンケート、共通点は…「自信」 ポイントは10歳ごろの体験 保護者はどうサポート?

2021.10.25

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きたざわ あいこ
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東大に入学する子どもや保護者にはどんな共通点があるのでしょうか。自身も東大出身で、現在は小中高生向け個別指導塾などの塾長を務める橋本拓磨さんにお話を伺いました。

Takuma_Hashimoto

話を聞いた人

橋本拓磨さん

小中高生向け個別指導塾SUNゼミ・大学受験学習塾STRUX塾長

(はしもと・たくま)東京大学法学部卒。正しい勉強法を地域差なく知ってほしい、受験を通して自分に自信を持ってもらいたいという思いから、オンライン塾や勉強法サイト「ストマガ」を立ち上げ、計画の立て方や勉強法を伝えている。著書に「10歳からの東大式勉強術」(学研プラス)がある。

東大生の共通点は「自信」 失わせない工夫を

――2021年に出版された著書の制作にあたり、多数の東大生、そして、保護者にアンケート取材をされたそうですね。橋本さん自身も東大出身ですが、東大生となる子には、何か共通点があるのでしょうか?

私自身の実感や友人の話、アンケート調査からも、「東大生は自信を持っている人が多い」という共通点が見えてきました。しかもその自信は、「自分だったらうまくできるんじゃないか」といった、いい意味で根拠のないものが多い。

自信があることで、迷いなくいろんなことにチャレンジでき、分からないことが出てきても諦めることなく工夫して前に進める。それが東大合格という結果に結びついているのだと思います。

――自信や自己肯定感といった言葉は教育現場でも注目を集めていますね。東大生の「自信」はどのように培われているのでしょうか?

自信を培うというよりも、10歳頃にいかに自信を失わないかが大きなポイントだと思います。

10歳頃は、精神的にも体力的・身体的にも、一番成長を迎える時期だといわれています。中でも精神面の成長は著しく、周りとの協調性を重視したり、自分を客観視したりできるようになっていきます。

一方で、成長の度合いに差が生まれやすく、勉強や運動などで得意・不得意といった個人差も出てくる頃。客観視する能力が高くなる分、「周りと比べて自分はこれが下手だ」とできない部分ばかりに目が行って、自信や自己肯定感が下がりやすいのです。そこで挫折せず、自信を持った状態で成長できることが、その後の人生にもつながっていくのだと考えています。

――その頃に勉強などでつまずいてしまった場合、保護者はどうサポートすればいいのでしょうか。

個人差はあるものの、成功体験を積むことで変わってくると思います。

例えば、一度勉強が苦手だと思ってしまうと、どうしても勉強はやりたくないものになってしまいます。それを「少しずつでも、やればできるようになっていくんだ」という考えに変えていくことが大事です。

成功体験を積むためのポイントは、低めの目標を設定して、一つひとつできることをしっかりと肯定していくこと。宿題を毎日できないお子さんであれば、できた日には「今日は宿題をきちんとやりきったね」と褒めるのもいいと思います。

できない場合も単純にダメと叱るのではなく、「じゃあ次はこういう風にやってみるのはどう?」 と一緒に考えていくとよいでしょう。

保護者が「このくらいはできて当然」だと思っていたとしても、苦手意識を持っている当人としては難しい場合があります。ぜひ肯定的な伝え方を通して、少しずつ苦手意識を払拭していってほしいです。

東大生の共通点

もう一つは、保護者側から子どもの行動に興味をもって聞くこと。実は、これができているご家庭は少ないんです。子どもは、保護者が聞いてくれることで、「自分がやっていることは間違ってないんだ」と感じ、肯定感につながっていきます。

よく結果よりも過程を褒めるべきという声を聞きますが、本質はそこではありません。過程であれ結果であれ、前よりも成長したことやできるようになったことに着眼点を置くことこそが大切なのです。ちょっとした小さなことでいいから、褒めるポイントを見つけていきましょう。

――勉強が苦手であれば、「塾に通わせよう」「勉強時間を増やそう」と考える人が多いと思います。しかし、方法や時間よりも心のケアを重視した方がいいということですか?

もちろん塾に行って勉強を教えてもらうのも、学力向上には効果はあると思います。ですが、それも自信が失われていないことが大前提なんです。

塾に行くと、成績でクラスや席順を決められることも少なくありません。そうすると周りの優秀な子と自分を比べてしまって、なおさら自信喪失につながりやすい。時には塾の方針が厳しすぎて、否定されているように感じるかもしれません。

だからこそ、まずは勉強に対する成功体験を積んで、抵抗感をなくす。これにご家庭で取り組んでいくことが最も大切だと思います。

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