文系、理系の壁

芝浦工大・大坪隆明理事「『理系女子はお得』情報が浸透していない」

2021.10.14

author
中村 正史
Main Image

女子比率3割を目指し、女子枠や入学金免除

――芝浦工業大学も女子を増やそうと取り組んでいますね。

学部生のうち女子の比率は19%です。この8年間で5ポイント増え、今年度の1年生は20%を超えました。建築学部とデザイン工学部は女子が多く、順に34%、31%と3割を超えています。工学部が12%で一番低いです。

創立100周年の2027年に女子比率を3割以上にすることを大学として掲げており、さまざまな取り組みをしています。女子が少ない工学部機械電気系4学科で、18年度から公募制推薦に女子枠を設けました。22年度からは工学部の全9学科に拡大します。同時に、22年度入学者から入学金相当(28万円)を奨学金として支給する制度を始め、公募制推薦の約30人と、一般入試で成績優秀な約100人に支給します。

――理系女子のロールモデルを見せるのがいいと言う教育関係者も多いです。

理系は文系に比べてメディアに登場するスターが出にくいです。中高生や保護者に理工系のロールモデルをどう届けるかです。ただ、実は男子も理工系のロールモデルはあまりありません。ノーベル賞受賞者とIT起業家くらいでしょうか。

女子は男子よりも、どう仕事をするか、どう生きるか、それが自分の人生にどう関わるかを強く意識します。女性のライフプランの中で、理工系に進む魅力をどう伝えるか、そして裾野をいかに広げるかが重要です。

――理工系に進む女子が増えないのは、数学や理科の好き嫌いもあります。

中学段階では数学に男女差はありません。高校でも同じです。問題は物理でしょう。抽象的な内容になるため、化学や生物の方に関心が向き、女子が避けるようになります。工学系は大学入試で物理を課すことが多いので、進む人が少なくなります。大学には地頭がいい人、理系の頭の人がほしいという発想がありますので、科目を見直し、総合型選抜(AO入試)や学校推薦型選抜(推薦入試)を広げていくなど、入試方法を工夫することも女子を増やすには有効だと思います。

芝浦工業大学の豊洲キャンパス
芝浦工業大学の豊洲キャンパス

新着記事