一色清の「このニュースって何?」

岸田内閣が発足 → 大臣は適材適所ってホント? 必要な資質を考えよう

2021.10.08

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一色 清
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日々のニュースの中に「学び」のきっかけがあります。新聞を読みながら、テレビを見ながら、食卓やリビングでどう話しかけたら、わが子の知的好奇心にスイッチが入るでしょうか。ジャーナリストの一色清さんが毎週、保護者にヒントを教えます。(写真は、初閣議を終え記念撮影に納まる岸田内閣の閣僚たち=2021年10月4日、首相官邸、北村玲奈撮影)

大臣を「相」と書くのはなぜ?

岸田文雄氏が第100代内閣総理大臣に選ばれ、岸田内閣が発足しました。岸田総理大臣のほかに20人の大臣がメンバーです。「大臣ってどんな人が選ばれて、どんな仕事をするのだろう」。そんな疑問を持つ子どもは多いと思います。今回は、大臣について考えてみましょう。

まず、大臣という言葉ですが、これは古代律令制の日本にすでにあった言葉です。左大臣、右大臣はひな人形の壇上に並んでいるので、昔からあった言葉だとわかります。大臣は法律に書かれている正式名称ですが、新聞では大臣という言葉をあまり使わず「相」という字を使います。財務大臣は財務相、経済産業大臣は経済産業相あるいは経産相という表記になります。総理大臣の場合は首相という言葉をよく使います。「相」というのは、古代中国で君主を支える大臣のことなので、大臣と同じ意味です。私見ですが、新聞で「相」を使う理由は、大臣より1文字短くなるからだと思います。特に総理大臣を首相とすると2文字短くなります。新聞のスペースは限られていますから、2文字や1文字でも短くなることは大事です。積み重なると、より多くの情報を盛り込むこともできるようになります。

ただ、テレビでは「相」をあまり使わず、おもに「大臣」を使います。それは「財務相」も「財務省」も耳で聞くと同じですので、聞き間違いが起こるためです。メディアの都合により、「相」と「大臣」を使い分けているようです。

大臣の数は内閣法で決まっています。総理大臣を除いて本来は14人までです。しかし、特別な必要があれば17人まで増やせることになっています。大臣は多いほうが与党議員に喜ばれるので17人がふつうになっています。これに加えて、今は内閣法の付則などで復興相、五輪相、万博相の3大臣を置くことができるようになっています。このため、17+3の合計20人となっています。大臣といえば、省庁のトップというイメージですが、省庁(内閣府含む)の数は14なので、残りは少子化担当など特定の使命を持った大臣ということになります。

大臣は国会議員でなければならないというわけではありません。憲法では「過半数は、国会議員の中から選ばれなければならない」とあります。規定上は今なら9人まで民間人を起用することができることになります。今回の内閣に民間人は1人もいませんが、過去には民間から大臣に起用された人が24人います。最近では2012年に民主党政権下で防衛大臣に就いた森本敏氏は大学教授からの起用でした。ほかにも元官僚、経済評論家、経営者、日銀総裁などが起用されています。

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