企業入社難易度ランキング

「10年間で入社が難しくなった企業」ランキング上位83社 トップは住友不動産、食品、医薬品が上昇

2021.10.12

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井沢 秀
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学生が志望する業種や人気企業は、時代の環境とともに変遷する。企業の盛衰も時とともに移り変わる。ある業種で3番手、4番手だった企業がトップに躍り出たり、逆に花形だった業種や企業が落ちていったりすることもある。大学通信が算出している「企業入社難易度」を活用して、2021年と2011年を比較することにより、この10年間で入るのが難しくなった企業を検証した。大学通信の井沢秀・情報調査・編集部部長が解説する。

リーマン・ショック後の2011年との比較

「企業入社難易度」は、大学通信が大学へのアンケート調査で収集している企業別就職者数と、大学入学時の偏差値を組み合わせて算出している。大学入学時の偏差値が高い、つまり地頭がよい学生が、就活でどのような企業を志望し、就職しているか、また企業がどのようなレベルの大学をターゲットとして採用活動を行い、実際にどんな学生を採用しているかを知るための指標と言える。

調査対象にしている企業は、日経平均株価指数の採用銘柄や、会社規模、知名度、大学生の人気企業ランキングなどを参考に選んだ424社。民間企業に就職することが少ない医学部と歯学部の単科大学を除いて、すべての大学を対象に毎年、就職者数をアンケート調査している。大学の偏差値は、駿台予備学校の模試の難易度を使用し、医学部と歯学部を除いた学部の難易度の平均値を取った。

「企業入社難易度」は次の方法で算出した。例えば、ある企業が東京大(難易度70.0)から3人、早稲田大(64.8)から6人、青山学院大(58.4)から3人を採用したとすると、「企業入社難易度」は、(東京大70.0×3人+早稲田大64.8×6人+青山学院大58.4×3人)÷合計採用者数12人=64.5になる。この10年の間に、合併・統合したり、企業名が変わったりした企業もある。その場合は、母体になった企業のデータを用いて、なるべく入れるようにした。

この企業入社難易度を21年卒と11年卒で比較した。掲載した企業は、入社難易度がこの10年間で0.2ポイント以上上昇し、入るのが難しくなった企業だ。いずれかの年の採用数が10人未満の企業や、10年前に比べて採用数が半分以下に減った企業は除いた。採用者数は大学への調査結果なので、各企業のすべての採用者数を網羅しているわけではないが、例年85%以上の判明率となっている。

11年卒は、リーマン・ショックの影響で大学生の求人倍率が大きく下がり、学生にとっては就活が厳しい、企業にとっては買い手市場の年だった。一方、21年卒は20年春から新型コロナウイルスの感染が拡大する中での採用活動になり、大規模な企業説明会を開けず、面接もオンライン中心になるなど、就活の環境が大きく変化した。企業の採用意欲は高かったものの、航空会社が一部職種を除いて採用を中止するなど、募集状況が激変した業種もあった。そうした状況にあった両年を比べた時、この10年間で入るのが難しくなった企業にはどんな変化が起きたのだろうか。

最も入社難易度が上がったのは、6.4ポイントアップした住友不動産。総合順位でも11年の294位から21年は30位に大幅に上がった。採用者の出身大学のうち、入試難易度50未満の大学が10大学から3大学に減少する一方、早稲田大や東京大などの難関大が増えた。不動産では大京グループが18位、東急不動産が26位に入っている。

2位は帝国ホテル。3位のP&Gジャパンは人材育成に定評があり、総合順位が126位から12位に大きく上がった。化学では、旭化成グループ(17位)も、総合順位が180位から69位と大幅に上がっている。

21年の総合ランキングで、外資系コンサル2社に続く3位になったINPEX(国際石油開発帝石から社名変更)は、入社難易度上昇では45位だが、総合順位は11年の11位から8つ上がっている。

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