「地方」で学ぶ

「高2留学」でそば打ちの段位を取得 北海道幌加内高校 授業でワカサギ釣りも

2021.10.13

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葉山 梢
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北海道の中でも有数の寒冷地・幌加内町にある町立の北海道幌加内高校は、全国でも珍しい「そば打ち」が必修の学校だ。高2の1年間が対象の地域留学制度「地域みらい留学365」(高2留学)で、東京などから4人の「留学生」を受け入れている。

「そば」が必修科目

北海道幌加内高校は、旭川空港から北へ車で約1時間半の幌加内町にある農業高校。各学年1クラスで、現在の生徒数は全校で36人という小規模校だ。定員割れが続いており、町を挙げたプロジェクトとして「高2留学」を推進することになったという。この制度は内閣府が昨年から始め、通っていた高校に在籍したまま、1年間だけ別の学校で学べる。事務局を務める地域・教育魅力化プラットフォームのホームページには、同校を含む全国16の受け入れ校が紹介されている。

幌加内高では初年度となるこの春、東京と埼玉、静岡から4人の「留学生」を受け入れた。このうち、埼玉県の普通科高校から来た宮地可奈子さんは小さい頃から自然が好きで、北海道に憧れていた。昨年夏のオープンスクールに参加し「緑が豊かで、本当にいいところだな」と感じて留学を決めたという。

町はそばの作付面積と生産量が日本一で、学校には「そば」という必修科目がある。1994年、当時の校長が「そば生産量日本一の地ならではの特色を」と発案し、2004年から単位として認定されるようになった。

そばの歴史や栽培、収穫法、流通や販売などについて総合的に学び、6次産業化について考える。校舎の裏手には「そば道場」があり、そば打ちの実習もある。作ったそばは、「幌加内高校商店会」という校内イベントや、町外のスーパーの販売会などで実際に販売し、人気を集めているという。

そば打ちは、そば粉をふるいにかけ、水を少しずつ加えて練り、のし棒でのばす。四角形に整えてたたみ、包丁で細く切って出来上がりだ。段位認定されるには40分以内に打ち終わらなければならないが、宮地さんは最初、70分もかかった。だが毎週2時間の授業で練習し、7月の段位認定会では初段に合格。優秀賞にも選ばれた。「都会の学校ではできない体験をたくさんさせてもらっている。将来は北海道で小学校の先生になって、自分の目で見て学んだ経験を伝えたい」と話す。

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