国語のチカラ ~「読み、書き、表現」アップの鉄則~

すべての学習の基本 「読書習慣」は3ステップで身につける

2021.10.14

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南雲 ゆりか
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10月27日から読書週間が始まります。読書のメリットはわかっているけれど、子どもの読書嫌いに手を焼いていらっしゃる方も多いのではないかと思います。

今回は、本を読めない、なかなか読まない子どもたちを活字の世界に引き入れる方法を考えてみたいと思います。

好きな本を好きなように読むのが読書の本来のあり方ではありますが、そこまで到達できていない子がたくさんいます。数えるほどしか本を読み通した経験がないという高学年の子も珍しくありません。

無理に読ませればかえって読書嫌いになるかもしれないという心配もあるかもしれませんが、読書も計算練習や漢字書き取りと同じように、大事な基礎学習です。そのことを子どもにも伝えて、本を読む時間を確保してください。夕食の後など、決まった時間に設定すると習慣化しやすいでしょう。

読む力が未熟なうちは、子どもの好みや興味に合わせつつ、だんだんいろんなジャンルのものが読めるように手助けしていきます。

ステップ1 字の多い絵本を一緒に読む

絵本は読めるけれど、まだ文章量の多い本は読めない子の場合は、字が多めの絵本を一緒に読むところから始めましょう。

できれば、余韻の残る、考えさせられる内容の絵本を読ませたいものです。たとえば、次のような名作といわれる絵本です。

イラスト① EduAWeb-211000-1

もし、子どもが本を気に入って繰り返し読みたがったら、「何度も読むのはすごくいいことだよ」と背中を押してあげてください。精読につながり、読む力が伸びていきます。

有名な童話や昔話も、読み聞かせたり、音読させたりすることもおすすめします。

「北風と太陽」「アリとキリギリス」などの有名なイソップ童話を知らない子が時々います。こうした話は教訓がはっきりしており、主題を考える練習になりますし、教養として、ぜひ低学年の間に読んでおきたいものです。短い話が多いのでさほど大変ではないと思います。

ステップ2 娯楽性の高い作品から一人で

読み聞かせたり、一緒に読んだりする一方で、一人でも読めるように導いていきましょう。ちょうどいいのが、『かいけつゾロリ』(原ゆたか、ポプラ社)や『おしりたんてい』(トロル、ポプラ社)。大人気の作品ですね。漫画的な要素がありながら文章もしっかりと書かれているので、読書初心者にはうってつけです。おもしろそうだから先を知りたい、でも絵だけでは内容がわからないから読まなくちゃ、というようにどんどん読めてしまいます。

次は、もう少し文章量の多いものにシフトしていきます。たとえば、寺村輝夫の「ぼくは王さま」シリーズ(理論社)や、矢玉四郎の「はれときどきぶた」シリーズ(岩崎書店)です。楽しい絵がたっぷり載っていますが、漢字(読み仮名付き)を使ったきちんとした文章で書かれているので勉強になります。親世代にもおなじみの作品ですね。「この本、子どものころ好きだったなあ」「もう○○のところ、読んだ?」などと声をかけると、はりきって読むかもしれません。

もっとページ数の多い本を読めるようにする足がかりとしては、アニメや映画のノベライズ作品がおすすめです。漢字が増え、語彙のレベルも高くなりますが、映像で見たことがある作品なら苦にならないでしょう。むしろ映像と結びつけながら語彙を増やせます。

ノベライズ作品を読み通すことができれば、同じようなサイズの児童向けの文庫本にもチャレンジできるようになってきます。児童向けの文庫本は、物語はもちろん、ノンフィクション、説明文、伝記、随筆と、種類も豊富です。1冊読み通せなくても構わないので、いろんなジャンルのものに手を出してみて、好みの本を探させるとよいと思います。

ステップ3 物語以外の読み物にも親しむ

物語を中心に紹介してきましたが、今は、子ども向けの科学系の読み物や社会に関する本などがたくさん出版されています。物語よりもこうした本に興味を示すようなら、読む練習としてまずはこれらを活用するとスムーズかもしれません。

反対に、物語ばかりを好む子には、親が手助けしながら、科学系の本なども読めるようにするとよいでしょう。中学入試ではかなり難しい説明文や論説文が出題されるからです。低学年のうちに、科学や社会に関する本に親しんでいれば、抵抗なく取り組めるようになります。

児童書には、大人が読んでおもしろいものもたくさんあります。ぜひ親子で同じ本を読み、感想を交わすなどして、読書経験を共有してみてください。

イラスト②EduAWeb-211000-2

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