サピックス広野先生の 知っトクなっトク中学受験

6年生はラストスパート 志望校の過去問にどう取り組む? 週に1回は解く日を決めて

2021.10.19

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広野 雅明
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情報過多の時代の中学受験。大手進学塾サピックスの広野雅明先生が保護者の方々に向け、情報を上手に利用するコツを解説します。

まずは基礎学力の定着を

6年生の皆様は入試まであとわずかとなりました。志望校もそろそろ確定し、追い込みの時期かと思います。そんなときに少しでも役立つアドバイスができれば幸いです。

志望校対策というと過去問の学習や、様々な塾や個別指導が実施する過去問の類題演習を中心とする志望校対策講座が思い浮かびますが、あくまで4教科の学習が学力の根幹で、各教科の基礎ができていることが大前提です。志望校対策は最後の味付けに過ぎません。ただし、最後の十数点はこの部分で上下しますので、軽視もできないです。それでも各教科の学習をしっかり実施して頑健な基礎学力をまずは定着させましょう。

過去問は優先度をつけて復習する

さて、志望校対策の中で欠かせないのは過去の入試問題の学習です。志望校の過去の入試問題の優先度は、塾や先生により様々です。過去の入試問題はもう二度と出ない問題なので、さっとやればいいという人もいますし、学校ごとの出題傾向はほぼ変わらないので、何度も繰り返し解くことが最優先だという人もいます。また時事的な要素の強い問題や統計などは、古い問題だと現在の状況と大きく異なってしまうこともあります。学校によっては途中で大きく傾向を変えていることもあります。どの学校を何年分学習するかは、お通いの塾の先生とよくご相談いただきたいと思います。

私は、ふだんは算数を担当しています。算数は大きく出題傾向が変わることは少ないので、過去問はしっかり解いた方がよいとアドバイスしています。第1志望校はおおむねのべ10年分(2回入試の学校は2回×5年、3回入試であれば3回×3年のようなイメージです)は解いた方がよいと考えています。またこの時期に1回目を解いたのであれば、冬休みや1月にもう一度解いてみた方がよいと考えています。第2志望は半分の5年、第3志望は3年、それ以外の学校も最低でも1年分は解いた方がよいと思っています。ただし、社会科であれば、そこまでさかのぼるよりも本年度のいろいろな学校を解いてみた方がよいと思われます。

過去問を解く上で私がお勧めしているのは、まずは週に1回は入試問題を解く日を決め、必ずその日は入試問題を解かせます。いつもの勉強が忙しくて過去問まで手が回らないという声もよくうかがいます。出題傾向、分量、解き方の記入や作図の有無、難易度、時間配分、記述など実際に実感してみることはとても大切です。過去問の学習は優先度が高いと私は考えています。

次に、いかに真剣に集中して解く環境を用意するかです。自分の部屋で、1人で解いてもなかなか集中できないお子様もいます。静かでいつもとは違うスペースが用意できるようであれば、静かに見守って時間を決めて解かせてください。過去問は、実物版が入手できればそれに越したことはありませんが、学校のウェブサイトからダウンロードできることもあります。問題集を複写したり、解答用紙を実物大に拡大したり、そのような工夫も有効です。限られたスペースをどのように使うかも重要な訓練です。

ひと通り解き終わったら、答え合わせと間違い直しが肝心です。過去問集に解説があれば、それを読んで理解することも大事です。解き方が分かって正解した問題⇒◎、少し怪しいけど正解した問題⇒○、間違え直しをしたらすぐにできた問題⇒△、解説を読んだら理解できた問題⇒▲、解説を読んでも理解できない問題⇒×などとメモをしておくのは有効です。一般的に入試問題の得点率は、受験生全体の平均が約5割、合格者の平均が約6割になることが多いです(もちろん学校や年度により大きな差がありますので、過去の成績データを公開している学校ではそちらをご参照ください)。逆にいえば数割の問題はできなくてもよいということです。ですから上の分類でいえば「×」の問題を理解しようと努力することももちろん大切ですが、「○」を正しく理解し、「△・▲」をできるようにする努力がより大切です。優先度を立てながら復習をしましょう。

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