文系、理系の壁

中央大・武石智香子副学長「AI・データサイエンス科目に文系学生が殺到」

2021.10.21

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中村 正史
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学部が違えば異なる視点に刺激を受ける

――文系学生にAI・データサイエンスを学ばせるのもそうですが、文系、理系の枠を超えた学びが求められています。

米国でも10年くらい前に、工学の人も人文・社会科学を学ぶべきだという改革が起きました。私は米国の大学院で学びましたが、米国の学部ではすべての分野から幅広く学ばなければいけないという考え方が浸透していて、それが当然のことになっています。日本のように高校で文系、理系に分かれて、その後その意識を持ち続けるのだとすると驚きでもあります。

私は中央大学で国際協力のFLPを担当していましたが、法学部の学生も商学部や理工学部の学生もいるので、一つのテーマを考える時の視点が違い、お互いに刺激を受け合っています。例えば、商学部の学生が「それはコストがかかりすぎる」と指摘すると、法学部の学生は「今までコストの視点で物事を見ていなかった」と気づきます。逆に商学部の学生は「倫理観とか、どうあるべきかという観点から見ていなかった」と、法学部の学生の視点に気づきます。見方が違う学生が集まり、そういう会話が交わされると、いいチームになります。

――これからどのような教育を目指しますか。

目指すのは多様性です。物差しが一つだと、文系がいいとか、理系がいいとかいうことになりますが、広い視野を持てる学部教育をしていきたいです。進む分野を決めている学生であっても、その分野は社会の中でどう動いているのか、自分たちはどういう役割を担っているのか、いろいろな物差しを知ってほしいです。そのうえで自分の世界観やアイデンティティーを持って活動する学生を育てたいです。

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