企業入社難易度ランキング

「企業入社難易度ランキング2021」通信・サービス 1位東宝、採用大幅減の旅行業は…

2021.11.02

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井沢 秀
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大学入学時の難易度が高い、つまり地頭がよい学生は、就活でどのような企業を志望し、就職しているのだろうか。また、企業はどのようなレベルの大学をターゲットとして採用活動を行い、実際にどんな学生を採用しているのだろうか。大学通信が、独自調査で収集した各大学の企業別就職者数と大学入学時の偏差値を組み合わせて算出した「企業入社難易度」を用いて、業種別に見ていこう。今回は、通信・サービス。大学通信の井沢秀・情報調査・編集部部長が解説する。

再編・NTTグループの順位

今回は、学生に人気の高い通信、サービスの企業入社難易度を取り上げる。サービスには旅行、レジャー、ゲーム、ホテル、システム・ソフトなどを含み、幅広い。

1位は、昨年公開された劇場版「鬼滅の刃」が歴代興行収入1位になるなど、好調が続く東宝。採用数が10人と少ないこともあり、入社難易度が高い。採用大学は、慶應義塾大が半数を占める5人で、法政大(2人)、上智大、同志社大、関西学院大(各1人)が続く。

2位に入ったのはNTTデータ。システム開発の提案から運用・保守まで全ての工程を請け負う、システムインテグレーション(SI)を主な事業とする。採用数が多い大学は、早稲田大(81人)、慶應義塾大(45人)、東京理科大(29人)、東京大、大阪大(各23人)、東京工業大、同志社大(各22人)など。理系学生の人気が高く、東京工業大や東京理科大など国立と私立の最難関の工科系大学からの採用が多い。

NTTグループの中核となるNTT(持株会社)が3位。採用数が突出した大学はなく、東京大、東京工業大、早稲田大(各9人)、電気通信大(8人)、慶應義塾大、名城大(各6人)などとなっている。

NTTは昨年12月、NTTドコモを完全子会社化した。通信市場は、楽天の携帯電話への参入、ソフトバンクによるヤフーの子会社化、ヤフーとLINEの経営統合など、経営環境が大きく変わり、競争が激しくなっている。NTTドコモは2022年1月、長距離・国際通信のNTTコミュニケーションズ、 システム開発のNTTコムウェアを子会社化し、法人事業の強化や、5Gや6Gに向けた基盤整備、新たな通信サービスの創出などを拡充する予定だ。

今回の入社難易度でNTTグループは、ほかにNTTコミュニケーションズ(8位)、NTTドコモ(10位)、NTT東日本(11位)、NTT西日本(18位)が上位に入っている。

採用大学は、NTTコミュニケーションズが早稲田大(24人)、慶應義塾大(14人)、明治大(13人)、東京理科大(12人)、中央大、法政大、立命館大(各10人)。NTTドコモが早稲田大(35人)、慶應義塾大(33人)、同志社大(22人)、東京理科大(16人)、立命館大(15人)。

NTT東日本が早稲田大(28人)、慶應義塾大(21人)、明治大(19人)、東京理科大、立教大(各14人)。NTT西日本は大阪大(27人)、同志社大(21人)、名古屋大(16人)、京都大(15人)、神戸大、立命館大、関西学院大(各13人)。NTT東日本と西日本では、採用大学に地域性が見られ、顔ぶれが異なる。

4位は、採用判明数806人と大量採用をしながら、入社難易度が高い楽天グループ。ネット通販、金融、旅行のほか、携帯電話にも参入している。

採用大学は、早稲田大(78人)、慶應義塾大(59人)、立教大(44人)、大阪大(41人)、青山学院大(40人)。ちなみに、創業者の三木谷浩史・会長兼社長の出身大学である一橋大からの採用数は37人で、一橋大では三井住友銀行(15人)などを引き離し、最多の就職先になっている。

IT関連では、ディー・エヌ・エー(9位)、サイバーエージェント(13位)、ヤフー(14位)などが上位に入っている。

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