大学中退を防ぐために

アスリート学生の進学ミスマッチを防げ! 佼成学園で特別授業

2021.11.17

author
村田 淳
Main Image

スポーツに打ち込んでいる高校生に進路イメージを広げてもらおうと、佼成学園高校(東京都杉並区)で11月2日、特別授業が開かれた。大学を中途退学する大きな要因が「ミスマッチ」だからだ。今春発足した「朝日中退予防ネットワーク」ファシリテーターの倉部史記さん、九州産業大学学生係長で自身も大学まで野球を続けてきた一ノ瀬大一(だい)さんが講師を務めた。(写真は、オンラインでつながった九州産業大の一ノ瀬大一さんを紹介する倉部史記さん=左)

進路選びではなく「進路づくり」

佼成学園は、私立の中高一貫男子校で、進学校であるとともに、アメリカンフットボール部が全国優勝するなど、スポーツ強豪校でもある。今回の特別授業には野球部、ソフトテニス部、アメリカンフットボール部、バスケットボール部で部活動に打ち込む生徒たちが参加した。せっかく日々、スポーツに情熱を傾けているのだから、スポーツに関連がある分野の学びや仕事があることを知ってもらいたい、という先生たちの思いもあり、2015年から毎年、進路指導のプロである倉部史記さんが講師を務め、講義やワークショップを組み合わせた特別授業を行ってきた。ソフトテニス部顧問の岩本康太教諭(38)は「部活が忙しくて、オープンキャンパスに行く時間もなかなか取れない。特別授業は、大学のことを調べる大きなきっかけになります」と話す。

「何歳までに結婚したい?」。授業の冒頭、倉部さんが生徒たちに質問した。

「20歳まで、30歳まで、40歳まで、50歳まで」の中から選んでもらうと、圧倒的に多かったのは「30歳まで」。倉部さんは、「2030年には、50歳で一度も結婚していない男性の割合が29.5%に増加する」というデータを示し、「生き方が多様になっている」と指摘し、「どうして30歳までに結婚したいと思った?」と聞くと、生徒は答えに窮した。

「親世代の影響を無意識に受けていない? でもそれは、現実と離れているときもある。まっさらな状況で進路を考えてほしい」と語りかけた。

また、歯科診療所がコンビニよりも多いというデータも示し、「資格を取れば安泰という時代ではない。先の見えない未来を、自分で生き抜く力が必要。『進路選び』ではなく、『進路づくり』という意識を持って」と話すと、生徒たちは真剣な表情で聴き入った。

倉部史記さん(右)の話に聴き入る運動部員の高校生たち
倉部史記さん(右)の話に聴き入る運動部員の高校生たち
バックナンバー
新着記事
新着一覧
新着一覧

ページトップ