時事ニュースの攻略法

入試時事問題の「新型コロナ」中学編 感染症の歴史は頻出 押さえておきたい関連用語

2021.11.22

author
斉藤 純江
Main Image

世界中で猛威を振るう新型コロナウイルスの感染は、2021年度入試でどのように問われたのでしょう。中学、高校、大学に分けて専門家に出題傾向と対策を聞きました。初回は中学入試編として、毎年多くの時事問題を分析している文教大地域連携センター講師・早川明夫さんのインタビューをお届けします。(写真は新型コロナウイルスのワクチン接種を受ける看護師=2月18日、広島県大竹市の国立病院機構広島西医療センター)

早川明夫

話を聞いた人

早川明夫さん

文教大地域連携センター講師

はやかわ・あきお/文教大地域連携センター講師、森上教育研究所講師。大学の付属中高で教頭を務めた後、大学で社会科の教員養成にあたった。

感染症の歴史は要チェック

21年度入試では、社会と理科を中心に、新型コロナウイルスに関する問題が多く出されました。社会で特に目立ったのは、感染症の歴史に関連する出題です。

例えば、渋谷教育学園渋谷中(東京都渋谷区)は、世界の感染症の年表を示したうえで、日本で天然痘が流行した8世紀に天皇が建立を命じた寺院の一般的な呼び方や、スペインかぜが1918年以降に国内で流行した原因など、新型コロナウイルスや天然痘、ペストなどに関する知識を問いました。感染症史は、ほかにも慶応義塾中等部(東京都港区)や明治大付属明治中(東京都調布市)、攻玉社中(東京都品川区)、市川中(千葉県市川市)、神戸女学院中学部(兵庫県西宮市)などが取り上げていました。

私が印象に残ったのは慶応義塾中等部です。マスクを着用する人々が描かれ、感染予防を呼びかけるスペインかぜ流行時のポスターを示し、ポスターの「□をかけぬ命知らず!」という標語の□に当てはまる言葉を答えさせる内容でした。

正解は「マスク」で、日本ではおよそ100年前から、感染症予防にマスクが使われていたことがわかります。歴史を知ることで、「マスク文化はいつごろから始まったのだろう」と思いを巡らせるなど、新たな視点で物事を見たり、考えたりできる良問です。

感染症の歴史については、奈良時代に大仏が建立された背景に天然痘の大流行があったことや、平安時代に疫病が流行した京都で厄をはらおうとしたのが祇園祭の始まりであったこと、江戸時代にはしかや天然痘などが流行したことなどは押さえておくといいでしょう。北里柴三郎、志賀潔、野口英世という明治期以降に活躍した3人の細菌学者に関する問題も多く出ているので、覚えておきましょう。

新型コロナ関連の用語も押さえよう

新型コロナウイルスの感染が拡大するなかで、よく耳にした用語の知識を尋ねる問題も多くありました。

豊島岡女子学園中(東京都豊島区)では、コロナ禍で注目を集めた保健所について、業務として適切ではないものを選ばせる問題が出ました。保健所の業務は、日本国憲法25条2項の「国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない」という文言とともに押さえておきましょう。世界の感染症対策を担うWHO(世界保健機関)の名称を書かせる問題も目につきました。

パンデミックやクラスター、ロックダウン、三密(密閉、密集、密接)、特別定額給付金、緊急事態宣言といった用語の意味も問われました。これらは今年も出題される可能性があるので、意味を理解しておきましょう。

新着記事