時事ニュースの攻略法

入試時事問題の「新型コロナ」高校編 目立つ英語での出題 来年に備えニュースに目配りを

2021.11.24

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斉藤 純江
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世界中で猛威を振るう新型コロナウイルスの感染は、2021年度入試でどのように問われたのでしょう。中学、高校、大学に分けて専門家に出題の傾向を分析してもらい、対策を聞きました。2回目は高校入試編をお届けします。(写真は首脳会談を前に菅義偉前総理と「ひじタッチ」を交わすカナダのトルドー首相=6月13日、英国・コンウォール)

知識の有無で解答の速さに差

大手進学塾の栄光ゼミナールによると、高校入試での出題は私立の英語で目立ち、社会や理科は少なめでした。高校入試の責任者を務める松田裕太郎さんは「首都圏の私立では国数英の3教科入試を実施している学校が多いことや、5教科を課す公立では時事問題の出題自体が少ないことが影響したのではないか」とみます。

英語では、新型コロナウイルスにまつわる話題が長文の素材に使われたり、英作文の課題として出題されたりしました。

中央大付属高(東京都小金井市)は、英語の長文読解で新型コロナウイルスの話題を取り上げました。英文は、「Nearly a year ago, we were suddenly told that schools would be closed for several weeks.(1年ほど前、突然学校が数週間休校になりましたね)」という一文から始まり、新型コロナウイルスの感染拡大で友達に会えなくなったことや、卒業式ができなかったことなどに言及しています。そのうえで、カナダのトルドー首相が20年春のイースター休暇に行ったスピーチを紹介。スピーチの一部は子どもたちに向けたもので、「And I know you‘re up for this challenge. Together, we will get through this.(みなさんがこの挑戦に立ち向かう準備ができていることは知っています。一緒に乗り越えよう)」と呼びかけたくだりなどを引用しています。

作問の担当者は「時事的な内容を盛り込みつつ、読んでよかったと思えるものにしたいと考えました」と話します。「言葉は人を勇気づけたり、危機を乗り越えたりするためのツールでもあります。受験生へのメッセージとして、そんな言葉の力を伝えたいという思いも込めました」

渋谷教育学園幕張高(千葉市美浜区)は、示された語句を正しい語順に並べ替える整序問題で、新型コロナウイルスの話題を取り上げました。感染が広がり始めた当初、米国でマスクに対して懐疑的な意見があったことや、人は自分の都合のいい情報を信じたがるものだという認知バイアスについて書かれた英語の問題文を読み、文中の空欄に合う英文を作るよう求めました。

慶応義塾志木高(埼玉県志木市)は、社会や国際情勢について英語で書かれた複数の短文を読み、文中の空欄に合う英単語を選ぶ穴埋め問題で、新型コロナの話題を取り上げました。設問の短文にはCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)、解答の選択肢にはlockdown(ロックダウン)やvaccines(ワクチン)といった単語が登場しました。

関西学院高等部(兵庫県西宮市)は、新型コロナウイルスを題材とした英作文を出題しました。感染の拡大が自分の生活にどのような影響を及ぼし、それについてどう感じたかを問う英文を読み、30語以上の英語で記述するよう求めました(下の図)。

高校 英語での出題が目立つ 読解や英作文のテーマに
関西学院高等部の問題

栄光ゼミナール高校入試英語責任者の髙尾隼次郎さんは「時事的な話題を盛り込んだ文章を取り上げるのは、『世の中の出来事に広く興味関心を持ってほしい』という学校側のメッセージです。背景となる知識がなくても正解を導き出すことはできますが、知っているかどうかで解答の速さに差が出ます」と指摘します。

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